WMVエンコード設定

はじめに

Windows Media Encoder 9では細かな設定ができるようになっていて設定しだいで上手にエンコードできるようになっています。今回はどのような設定にするとよくなるのか私の意見をまとめてみました。

Window Media Encoder での設定

スクリーンショット

あとで保存するために、題名を付けます。
言語を日本語に変更します。(意味あるのか不明。)
コーディックが『Windows Media Video/Audio 9』になっていることを確認します。(別のを選ぶならばそれを選択します。)
さらに詳細を設定するためにとなりのタブに移ります。タブ名の518Kbpsは内容によって変わります。
追加ボタンを押して、作りたいフォーマットの容量を指定します。
日本のビデオ形式は NTFS なので通常はこちらを選択します。

スクリーンショット

作るフォーマットのビットレートを入力します。これは詳細設定で変更が自由に利きますから適当でもいいです。
オーディオとビデオのビットレートの合計を bps 単位で、例えば 518KBps だったら 518K か 518000 と入力します。

スクリーンショット

各種設定をします。

オーディオ形式

『Stereo』はまぁいいとして、CBRは単位時間当たりの容量が一定をあらわします。ほかにVBRってのがあります。これはデータによってその単位時間当たりの容量に多少の誤差を認める方式です。VBRの方がより最適になるので容量が等しいならば CBR に比べると音質は上がりますが、容量の予測が付きにくくなるのでここではCBRを選びます。
44kHzはサンプリング周波数が44.1kHzということで、できることならMpeg1ファイルのオーディオ設定にあわせた方がいいでしょう。
64kbpsは一秒間のデータ量です。もちろん大きければ大きいほど音質はあがりますが、出来上がったファイルは大きくなります。

ビデオ入力と同じ

これにチェックをいれると元のデータ(入力したビデオファイル)と同じ値にビデオサイズが設定されます。 普通は同じ値にするのでこれにチェックを入れてもいいのですが、今回はより汎用性が高いように手動で設定しました。ちなみにこれにチェックを入れると以下の一部項目が設定できなくなります。(元のビデオに合わせて自動的に設定される。)
私の環境ではこの項目にチェックすると異なる大きさ(細く)なるという現象が起こりました。手動設定のほうが確実かもしれません。

ビデオ サイズ

ビデオの画像サイズをピクセル単位で指定します。パソコンでビデオというのはアニメーションのようにデジタル画像をコマ送りするようにして再生します。ビデオサイズとはこのデジタル画像のサイズのことです。これも元の映像にそろえる方がいいでしょう。すくなくとも元の 映像より大きくしても画質が劣るだけだからやめたほうがいいと思います。
ちなみに、サイズを大きくしたほうが画像の細かさが向上=画質が上がるのですが、一定量に圧縮するので最終的に出来上がるファイルのサイズは同じになります。つまり、サイズが大きい画像を同じ容量まで落とすのに大幅に圧縮をかけるのでかえってぎこちなく画質が落ちる場合があるのでいたずらに大きくしても逆効果です。(小さいサイズの画像を拡大する→低画質な画像で大きい→低画質で容量が大きくなる→同じ容量にするのに圧縮率を上げなければならない→低画質がさらに劣化する)

フレームレート

日本の放送規格はNTSCでこれは 29.97fps です。 元のデータも NTSC でしょうからとりあえず NTSC の 29.97fps にしておきましょう。

キーフレームの間隔

I-フレーム(キーフレーム)と呼ばれる完全なる画像も入れています。このフレームがくる割合を指定するのがこの項目です。

何秒に一回の割合でキーフレームを作るかっていうことです。この時間は比較的長い方が(キーフレームが少ないほど)画質が上がるハズです。これはWindows Media Encoder のヘルプの解説とは異なる見解なのですが、キーフレームはすべてを記録した画像なので容量を食います。もしCBR で圧縮先のファイルの量は決まっているならば、容量を食うキーフレームが多いほうがより高い圧縮を受けるので画質が下がると思われるからです。

I-フレーム(キーフレーム)について詳しくは『MPEGの圧縮技術』を参照してください。

ビデオ ビット レート

ビデオの方の一秒あたりにどの程度の容量に圧縮するかを指定する場所です。オーディオでいう64kbpsと同じです。オーディオとビデオを足して誤差の9kbpsを加えた値が全ビットレート(動画が一秒間に消費する容量)の最大値とります。(9kbpsは容量によって多少異なります)

ところで、kbpsってのは 『キロ ビット パー セコンド』です。
容量の単位は『バイト』で 1バイトは8ビットです。これで出来あがるファイルの大きさが計算できます。ちなみに誤差の9kbpsを含めて計算した最大値が求まるので実際にはそれよりもちょっと小さい値になるようです。

例えば、518kbpsならば三時間のデータがどの程度の容量になるかというと…
518×60×60×3÷8=699,300KBとなり約700MB。
つまり700MBのCD-Rにちょうど3時間録画できる量というわけです。 2時間にするならば計算してもちょっと値を上げます。当然ながら値が上ほど画質が上がります。

他にも784kbpsならば26話分の30分アニメがどれくらいの容量になるかというと…
784×60×30×26÷8=4,586,400となり約4.7GB。
つまり、DVD-R一枚にちょうど26話分(通常のアニメは26話で1ターン)のアニメが録画できる量とうワケです。ちなみに、この設定だと700BMで121分のデータが保存できるのでいろいろ使えて便利です。

バッファ サイズ

再生するときにどの程度メモリに読み込んでから再生するかを指定する項目らしいです。ネットワークにおけるストリーミング(ネット上のファイルを直接再生)再生するときに関係するらしいのですが、直接デスクトップで再生する分には関係ないでしょう。『Use Default』にチェックを入れていじらないほうがいいと思います。(これにチェックが入っていたら手動で容量を指定する欄は入力できません。)ちなみに、ここを大きい値にしてみたら途中までしか再生できない不良ファイルができたことがあります。最新版ではどうなんでしょうか…。

ビデオの滑らかさ

動画では『シャープな映像』と『滑らかな動き』は相反する要素です。よってどっちを優先するかっていう項目です。 50%は半々で、より滑らか(スムース)な映像にしたいのならば値を小さく、逆によりシャープな映像にしたいのならば値を大きくします。

デコーダの複雑さ

自動、メイン、シンプル、複合があります。 Windows Media Encoder 9 でエンコードした Windows Media Videoをパソコン以外の再生機で再生する場合は、その機器の性能によっては全てのデコード処理が出来ない場合があります。Windows Media Videoでは複数の高度な圧縮技術を組み合わせて高画質で低容量な映像を提供します。この一部をサポートしない機器ように設けられた設定なのでパソコンで再生する場合は不要です。
とりあえず、自動にしておけば間違いはないかと。

終わったら全般のタブに戻ってエクスポートで設定データを保存すしておけば次回からはインポートで設定データをよみ込めばまったく同じ設定でトランスコードできるようになります。

保存したらOKを押します。