キャプチャーカードの詳細

はじめに

Captureとは『捕獲』を意味する単語で、コンピュータではデータを取り込むという意味です。通常キャプチャーと呼ぶとなぜかビデオキャプチャーを意味するようですが、サウンドカードを使って録音するのも、画面の静止画を保存するのもキャプチャーと呼ばれます。

ビデオキャプチャーにはソースがアナログかデジタルの二種類が存在しますが、デジタルビデオはオーディオと異なりパソコンのファイル形式に限りなく近く、ほとんどデータのコピーとなる点で他のキャプチャーとは多少異なります。

キャプチャー処理

ビデオキャプチャーはソースがアナログのものとデジタルのものがあります。

ソースがアナログの場合は、アナログデータをデジタルデータに変換する必要があります。サウンドカードにはオーディオのアナログデータをデジタル化する機能がありますが、ビデオキャプチャーはその映像版みたいなものです。ビデオキャプチャーカードによっては映像をデジタル化するチップのみ搭載されていてオーディオデータはサウンドカードでデジタル化する場合もあります。

エンコードの必要性

映像はアニメーションのように画像のコマ送りのような仕組みで保存するので、映像は音声の比ではなくデータ量が多くなります。

パソコンで色はRGBの三原色によって表され、各色256段階の256×3=167777216色を表すことがことができます(フルカラー=1677万色といわれる所以)。これを一ドットとして画像を表示します。256段階を表すには2の8乗=256色なので三色合わせてで24bit消費することになりますから、1ドットにつき24÷8=3バイト必用となります。

例えばDVD標準サイズである720×480の画像は、720×480×3=1036800バイト消費することになります。日本の標準規格であるNTSCは一秒間に29.97枚(一秒に30枚表示するが30秒に一回29枚になるので(30×29+29)÷30=29.966…となり平均29.97枚)を一秒に表示するので1036800×29.97×60×120=223724851200で二時間で約223GBというとてつもない容量を必用としてしまうのです。さらに一秒間に31072896バイトあるので、32MB/sを安定して転送する必要もあります。最近のHDDがいかに高速で大容量といえどもそう簡単ではありません。

よって、通常はデジタルデータの変換した後に記録する前に圧縮をかけて容量を減らします。圧縮には可逆圧縮と不可逆圧縮があり、可逆圧縮は解凍した際に完全に元に戻る圧縮方法で、不可逆圧縮は元には戻らないかわりに画質次第で圧縮率を高くすることができます。

画質を劣化させずに容量だけすくなくすることができる可逆圧縮ですが、圧縮する割合が少ないので動画のキャプチャーでは通常は不可逆圧縮が使われます。不可逆圧縮については同じ容量に圧縮するにしてもその方法次第で画質が大きく変わります。その為、高画質で低容量を実現するために高度な圧縮をかける必要があります。しかし、高度な圧縮技術になればそれだけ圧縮処理にパワーが必用になるのです。

エンコードの種類

記録容量を減らすために圧縮しながらキャプチャーする場合は、処理が間に合わなくなると正常に録画することができませんから高い処理能力が必用になります。ちなみに、圧縮しながらキャプチャーするのをリアルタイムエンコードキャプチャーなどといいます。まぁ、リアルタイムにエンコードできないと処理が間に合いませんからね。

これを高速なCPUに処理させるのがソフトウェアエンコーダによるキャプチャーで、この場合はキャプチャー機材への投資が少なくてすみますが、高画質=高度な処理を実現するために高速なCPUを用意するか、CPUに合わせて画質を削る必用があります。

また、なんらかの要因でCPUに別の負荷がかかった場合に処理が間に合わなくなって正常に録画できない場合があるなどのトラブルが発声する場合もあります。また、CPUまでは未圧縮のまま転送されるのでキャプチャー機器が接続されたバスに余裕が必要となります。

ちなみに、未圧縮で録画してこれを非リアルタイムでソフトウェアエンコーダでエンコードするのもソフトウェア エンコーダによるキャプチャーになります。

これに対して、CPUではなくキャプチャーカード上の専用チップによってエンコードの処理をするものをハードウェアエンコーダによるキャプチャーで、比較的低スペックのパソコンでも高画質で録画することができますが高性能な処理をするチップが搭載される分キャプチャーカードの価格は高価になります。