Windows 11の買替特需について考えてみる。

Windows 11の買替特需について考えてみる。

Windows 11が発表されました。Windows 10は最後のWindows!という話は何処行ったとか思うところですが、テクノロジー好きとしては、新しいワクワクする素材が出てきたのは素直に歓迎したいですね。

Windows 11での新機能などは色々なサイトで紹介されていますが、今のところ、Windows 10と比べてあんまり変わらないという印象を持った方が多いのではないでしょうか?

イメージ

それよりも話題となっているのが対象となるPCのスペックです。古いパーツを愛する私としてはTPU2.0対応もそこそこ高い要求のような気がしますが、CPUはIntelでは第7世代以降、AMDに至ってはZen+からと、ここ数年のモデル、もっと言えば秋葉原で現役で売られているCPUくらい新しいものしか対応していません。

メモリやストレージといったパーツのスペックに比べて、CPUの要求は異様に高いようにも思います。

とはいえ、実際にはそこまで問題にはならないかと思います。というのも自作erを除いて最新のWindowsにアップグレードなんてことをする物好きは少ないからです。会社で使っているPCならなおさらで、問題なく動いているのであればサポートが切れるギリギリまで当たらず障らずそっと使いつぶすのが普通でしょう。

なので、問題になるのはWindows 10のサポートが切れる2025年で、その頃にはIntelの第7世代であれば発売から8年。それ以前のCPUを搭載したPCであれば、買い替えるにはほどよい頃合いではないでしょうか。


サポートするCPUを絞ったのはセキュリティなど技術的な理由があるとウワサされていますが、『最後のWindow!』と言ったのを翻意してまで"Windows 11"に名称を変えたのは販売戦略も考えてのことでしょう。

新しいPCを売る絶好のチャンスなのに、『お客さまの古いPCはWindows 10 (21H1)までしか動きませんが、この新しいPCはWindows 10 (25H2)も動きます!』では購買意欲がそそられません。というか普通の人には違いがわからないでしょう。

Microsoftは私たちエンドユーザーももちろん大切なお客さんではあるのですが、基本はPCメーカーが主な取引相手です。ですから、彼らの意見はとても重要です。


おそらく今回もWindows10居残り組が多くでて、サポート期限ぎりぎりになって恒例の買替特需祭りになることが予想されます。

Windowsは私の覚えている限りでも過去に3回ほど大きなアップグレード問題が発生しています。一つ目はWindows 98からWindows XPのとき。そしてWindows XPからVistaのとき。最後はつい最近に買い替え騒動があったWindows 7からWindows 10のときです。

たぶん、技術的に一番大変だったのはWindows 98からWindows XPのときで、Windows 3.1系からWindows NT系にOSのカーネルが変更になっているので、動かないハードやソフトが多くてインパクトがありました。

ただ、この頃はPCのハードもソフトも発展途上で日々向上していたので、お客さんにとっても買い替えの動機があったので比較的スンナリ言ったように思います。

Windows 7からWindows 10の時は要求スペックが変わらない上に、無料でアップグレード可能としていたので、こちらもスンナリ行ったように思います。Windows 7のサポート切れで特需になったのは、主に会社で使っていたPCでの話です。

そして、一番揉めたのがWindows XPからWindows Vistaのとき。いかんせん後継のWindows Vistaが大コケしたため残留組が大量に発生、果てはWindows XPのサポート期限が何度も延長される事態にまで発展してしまいました。

Windows Vistaは要求スペックが高いのもありましたが、どちらかと言うとその割に魅力的な新機能などが無かったのが一番の原因だったと思います。今のOSの基本となっているので見直す動きもありますが、アプリケーションの互換性や操作性の悪さから、私は今でもポンコツだったと思っています(笑)。


今回はCPUの制限が厳しいので、Windows 10のサポートが切れる2025年にはWindows XPのサポートが切れたときくらいの買い替え需要が生まれるかもしれません。逆にWindows XPやWindows 7のサポート切れの時に特需を生み出したことでMicrosoftもPCメーカーも味をしめたのかもしれません。

ただ、テレワークの進展でPCが見直されていると言われていますが、それはテレ"ワーク"、つまり業務用がメインなのです。プライベートでPCが必要なシチュエーションは年々少なくなっていますし、それがWindowsでなければならない理由はおさら減ってきています。

仮にPCを買い替えるにしても買い替え先は、学校で馴染みのあるChromebookや、Appleのモバイル製品との親和性が高いMacという選択肢もでてくるでしょう。

一時はシェアが90%を越えてPCと言ったらWindowsという時代を築いたのが、だんだん仕事専用のOSになってしまうのは、一人のWindowsアプリ開発者としては悲しい限りです。

ぜひ魅力的な機能や提案でWindows 11を盛り上げていって貰えればな、と思うのです。