グラフィックカードの詳細

はじめに

グラフィックカードの簡単な役割と仕組みをお話しします。

グラフィックカードの役割

パソコンで使う画像には大きく分けて三つあります。

一つは普通にウィンドウ操作をするときのいわゆる2D画像でパソコンの機能として必要不可欠ですが、最近ではほとんど性能向上をし尽くした感があり、比較の対象とはならないとも言われています。ただし、もっとも良く使う機能である故にこれはもっとも吟味するべき機能だと思います。

もう一つはゲームなどで使う3Dグラフィック機能です。一般に3DグラフィックはCPUが演算してそれをグラフィックカードが表示します。ところが最近のグラフィックカードは、より高速で高画質な3D画像を表示するためにCPUで行わなければならない3Dの計算の一部をグラフィックカード上で処理できるようにしています。この機能はまだまだ進化していてもっとも差がつきやすいところといえるでしょう。グラフィックカードできる処理の種類とその速さによって同じメーカーからもいろいろな製品がでています。

最後にDVDやムービーなどの映像を表示する機能です。これも一般的にはCPUが処理してグラフィックカードはそれを表示するのですが、一部でその処理を支援したりまたはその画像がより滑らかになるようにフィルターのようなものを掛けたりする機能をもったものがあります。

グラフィックカードの仕組み

パソコンでディスプレイに表示する画像は、グラフィックカードに送られます。送られてきた情報はグラフィックメモリに展開されグラフィックチップによって画像投画の処理が行われ画像として出力されます。さらに『RAMDAC』によってアナログ信号に変換されてディスプレイに送られます。ただし、液晶画面用のDVI-D端子はアナログではなく直接デジタル出力されるのでRAMDACは必要ありません。

グラフィックチップはグラフィックメモリの情報をもとに画像信号を作成するわけですが、その処理の速さによって表示される速度が変わります。例えば、フォルダを開いたとすると、デスクトップにフォルダが開いた画像がディスプレイに投画されます。遅いグラフィックチップだと表示がもたついたりします。逆に高速なグラフィックチップだと処理が速く終わり画像がすぐに表示されるのです。グラフィックカードの機能(性能とは違う)はグラフィックチップによってほとんど定まります。

また、3Dを高速に演算するためには高速なメモリが必要でメインメモリでは間に合わずグラフィックカード上に高速なグラフィック専用のメモリを搭載するのが一般的です。現在ではグラフィックチップの処理にグラフィックメモリがついていっていないため、このメモリの速さと量で3Dグラフィックの性能が決まるといっても過言ではありません。チップセット内臓のグラフィック機能では安価に済ませるためにメインメモリを利用するUMAという方式を使っており、3D機能はあまり期待できないようです。