nVIDIA Geforce 2 Series

はじめに

Geforce 2 GTSは2000年にGeforce 256の後継として発売されたグラフィックチップです。

開発コードネームはNV15で、プロセスルールをシュリンクして価格を抑えるとともにピクセルエンジンの強化やクロックを引き上げるなどしてGeforce256と比べて処理速度の向上を図りました。性能と価格のバランスがとれた優秀な製品で大ブレイクしnVIDIAのシェアをゆるぎないものにしたグラフィックチップです。

写真

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主な仕様

スペック

チップ名 Geforce 2 GTS 備考
グラフィックチップ Geforce 2 GTS
コアクロック 200MHz
対応メモリ種類 DDR SDRAM/SGRAM
SDRAM/SGRAM
対応メモリ速度(最大) 166MHz のDDR 最大であってこの他いろいろな組み合わせがある。
メモリの最大搭載量 128MB
対応スロット AGP 4X/PCI
DirectXの世代 DirectX 7
OpenGLの世代 OpenGL
ハードウェア T&L
ピクセルシェーダ ×
バーテクスシェーダ ×
ジオメトリエンジン 25MTriangle/s
レンダリングエンジン 1.6GPixel/s
プロセスルール 0.18μ
Mpeg再生支援
その他 -

特徴

このグラフィックチップは基本的にGeforce 256の性能向上のために各部を改良したものです。まず、0.18μプロセスルールで製造することによって価格を抑え、なおかつクロックを200MHzまで引き上げました。Geforce256でも120MHz程度しかなかったのでかなり高速化したことになります。メモリに関しては当時一般市場に出回っているメモリが上の最大値を超えるようなレベルではなったのでGeforce256のときとあまり変わっていません。

レンダリングエンジンの一つのパイプラインに対して二つのテクスチャユニットを持つなどの3Dエンジンの強化がおこなわれました。ちなみに、Geforce2 GTSのGTSの名前の由来は、Geforceシリーズで初めてレンダリングエンジンの処理能力がギガテクセルを越えたので、GTS=Giga TexelShaderから来ているそうです。

これまでグラフィックチップは、旧製品またはそれと同じ設計品がそのままローエンド向けに移行するというパターンが一般的でした。ところがnVIDIAはこのGeforce2シリーズで最初からローエンド向けに最適化したGeforce 2 MXという製品を投入し、このGeforce 2 MXはリーズナブルな価格ながら当時ハイエンドモデルしか搭載されていなかったハードウェアT&Lを搭載してゲーム等で高い性能を発揮したことからゲーマーを中心に大人気となりローエンド市場を完全に掌握しました。

この最初からローエンド向けに最適化した製品を展開するという考えはその後のGeforceシリーズにも引き継がれました。

Geforce 2 GTSと同時期に販売されていたGeforceシリーズ製品

チップ名 市場 特徴
Geforce 2 Ultra ハイエンド Geforce 2 GTS の高クロック版
Geforce 2 GTS ミドルエンド -
Geforce 2 MX ローエンド Geforce 2 GTSをベースにパイプラインなどを減らして低価格に抑えたもの。ハードウェアT&L実装

※大まかな変更点で細かい変更点はほかにもあるかもしれません。

この他nVIDIAでは旧世代のコアを使った製品にネーミングルールを変えたりをあまりしないのでGeforce 3の世代にまたがってGeforce2の名が付く製品が存在します。(このおかげでATIよりかはわかりやすいと思う。)

チップ名 市場 特徴
Geforce 2 Ultra ハイエンド -
Geforce 2 Ti ミドルエンド UltraのコアクロックとGTSのメモリクロックをもち、コストパフォーマンスが高い
Geforce 2 GTS ミドルエンド -
Geforce 2 MX 400 ローエンド Geforce 2 MX の高クロック版
Geforce 2 MX ローエンド -
Geforce 2 MX 200 ローエンド Geforce 2 MX の低クロック版

※大まかな変更点で細かい変更点はほかにもあるかもしれません。