nVIDIA Geforce 4 Series

はじめに

Geforce FX Ti 4600 は2002年にGeforce 3 (正確にはその後継のGeforce 3 Ti 500)の後継として発売されたグラフィックチップです。

開発コードネームはNV25で、Geforce 3をベースに最適化と高速化を行い完成度の高いグラフィックチップです。また、Geforce 4 シリーズはハイエンドからローエンドまでを完全にカバーし、Geforce2シリーズ以来のフルモデルチェンジという形になりました。

主な仕様

スペック

チップ名 Geforce 4 Ti 4600 備考
グラフィックチップ Geforce 4 Ti 4600
コアクロック 300MHz
対応メモリ種類 DDR SDRAM/SGRAM
SDRAM/SGRAM
対応メモリ速度(最大) 325MHz のDDR 最大であってこの他いろいろな組み合わせがある。
メモリの最大搭載量 -
対応スロット AGP 4X/PCI
DirectXの世代 DirectX 8.0
OpenGLの世代 OpenGL
ハードウェア T&L
ピクセルシェーダ
バーテクスシェーダ
ジオメトリエンジン -
レンダリングエンジン -
プロセスルール 0.15μ
Mpeg再生支援
その他 -

特徴

nVIDIAはチップの製造を他社に依存するファブレス(工場なし)企業ですが、委託している工場の技術が0.13μのプロセスルールで製造するにはまだ足りておらず、このためGeforce4シリーズはGeforce 3シリーズと同じ0.15μで製造する必要がありました。とくにシビアだったのがハイエンドモデルのGeforce 4Tiシリーズで、すでにGeforce 3でハイエンドとしても一般に受け入れられる限度ぎりぎりの高価な設定となるトランジスタを消費しているので、プロセスルールが微細化しないこの製品の場合はこれ以上のトランジスタが増加=機能がの追加はなるべく避けなければならなかったからです。

このため、Geforce 4 TiシリーズはGeforce 3に比べてバーテクスシェーダのエンジンの増設などの小規模な強化と、回路の最適化やそれに伴うクロックの向上によって高性能化を果たしました。とはいえ、Geforce3ではすぎたくらいの性能を誇っていたのでそれほど強化しなくても充分高速でより完成度の高いGeforce 4 Ti 4600はそれまでのnVIDIAのグラフィックチップの実績もあってなかなか高い人気を誇りました。

nVIDIAはGeforce 3ではローエンド市場に最適化した製品を投入しなかったのでローエンド向けには二世代前にあたるGeforce 2 MXシリーズががんばっていました。さすがにコアが開発されてから2年も経ていると時間の流れの速いグラフィックチップ市場ではきびしくなってきました。そこでGeforce4シリーズではローエンド向けにGeforce 4 MXシリーズを展開してハイエンドからローエンドまで最新のグラフィックチップを提供してシェアの拡大と安定を図りました。

Geforce 4の性能に関する考察について詳しくは『column 01』を参照してください。

Geforce 4 Ti 4600と同時期に販売されていたGeforceシリーズ製品

チップ名 市場 特徴
Geforce 4 Ti 4600 ハイエンド -
Geforce 4 Ti 4400 ハイエンド 4600の低クロック版
Geforce 4 Ti 4200 ミドルエンド 4400よりさらに低クロック版
Geforce 4 MX 480 ミドルエンド Geforce 2 MXのを強化して0.15μにシュリンクしたもの
Geforce 4 MX 440 ローエンド Geforce 4 MX 480の低クロック版
Geforce 4 MX 420 ローエンド Geforce 4 MX 440のさらに低クロック版でメモリはSDRAMのみ対応

※大まかな変更点で細かい変更点はほかにもあるかもしれません。

Geforce 4世代では末期に一部製品ライナップが更新されました。これはAGP8X対応のチップセットの登場によりグラフィックカードにもAGP8X対応が早急に求められたためで、それ以外の点ではあまり大きな差はありません。

チップ名 市場 特徴
Geforce 4 Ti 4800 ハイエンド Geforce 4 Ti 4600のAGP 8X対応版
Geforce 4 Ti 4800SE ミドルエンド Geforce 4 Ti 4200のAGP 8X対応版
Geforce 4 MX 440 with AGP8 ローエンド Geforce 4 MX 400のAGP 8X対応版

※大まかな変更点で細かい変更点はほかにもあるかもしれません。

※注目すべき点は、4800SEは4200のAGP8X対応版であって決してコア部で4600に勝るわけではないという点です。