nVIDIA Geforce 6 Series

はじめに

Geforce 6800 Ultra は2004年にGeforce FX 5900 Ultra(正確にはその後継のGeforce FX 5950)の後継として発売されたグラフィックチップです。

開発コードネームはNV40で、次世代のDirectX 9.0にハードウェアレベルで対応すべくプログラマブルシェーダ Ver.3.0を搭載しています。

主な仕様

スペック

チップ名 Geforce 6800 Ultra 備考
グラフィックチップ Geforce 6800 Ultra
コアクロック 400MHz
対応メモリ種類 DDR SDRAM/SGRAM
SDRAM/SGRAM
対応メモリ速度(最大) 550MHz のDDR 最大であってこの他いろいろな組み合わせがある。
メモリの最大搭載量 -
対応スロット AGP 8X/PCI HSIというブリッジチップでPCI Expressに対応可能。
DirectXの世代 次世代DirectX 9.0
OpenGLの世代 Ver.1.5
ハードウェア T&L -
ピクセルシェーダ Ver 3.0
バーテクスシェーダ Ver 3.0
ジオメトリエンジン 600MTriangle/s
レンダリングエンジン 6.4GPixel/s
プロセスルール 0.13μ
Mpeg再生支援
その他 -

特徴

Geforce 6シリーズでは次世代のDirectX 9.0をハードウェアで実装すべく、プログラマブルシェーダのVer.3.0を搭載しているのが最大の特徴だと思います。プログラムシェーダのVer.3.0は、プログラムシェーダのプログラマブル性をさらに高く、より演算精度を上げたもので、Geforce6シリーズが最初の製品です。

パイプラインの数は16本のパイプラインを持つ上に、パイプライン自身も強化されていて処理速度はなかり高いものとなっているようです。GeforceFXでは動的にパイプラインを変化させることで複雑な演算から簡単な演算まで効率よく処理するように設計されていたのですが、8本相当と当時発表されたそのパイプラインの数が動的に変化するので8本を下回ることも多々あり、ライバル各社から非難されたという実績をもつことからか今回はこのような構造はあらため固定で16本のパイプラインを持つようになっています(nVIDIAはプログラムがやりにくかったからだと説明しているが、真相はnVIDIAの開発者のみぞ知るというところか)。

Geforce 6800シリーズは同時期にライバル各社がPCI Expressにネイティブ対応していることを最大のウリにして登場させているのに対してHSIとよばれるブリッジチップを使ってPCIExpressに対応させたのも大きな特徴です。コア自体はAGP 8X対応なのでPCI ExpressのAGP 8Xに対するアドババンテージ(帯域が広いなど)が受けられないだけでなく、ブリッジチップを介す分若干ながらAGP8Xに直接つなぐ場合よりも遅くなってしまいます。

nVIDIAは、PCI ExpressがAGP 8Xに対する優位性を発揮するほどグラフィックスコアもプログラムも高度化していないとネイティブ対応することを次期チップに回し、そのかわりライバル各社がPCIExpressネイティブ対応がメインでグラフィックコア自体の性能向上の部分で消極的なところで、グラフィックコアの方に大きな性能向上をさせたのです。

私はもともとATI派でアンチnVIDIAだったのですが、最近はどうもnVIDIAの技術者の選択が理にかなっているような気がします。とくにGeforceFXのバーテックスシェーダの精度の話や、まだ対応チップセットも少ないPCI Expressにネイティブ対応させることを優先するよりもまずはブリッジチップで対応させておいてPCIExpressの性能を生かすグラフィックコアが出来てから移行するという考えは、見た目や数値だけでない部分で総合的に消費者に利益を運ぼうとしているように感じて共感できる姿勢だと私は思いました。乗り換えちゃおうかなぁとか思う今日この頃です。。。

Geforce 6800と同時期に販売されていたGeforceシリーズ製品

チップ名 市場 特徴
Geforce 6800 Ultra ハイエンド -
Geforce 6800 GT ハイエンド 6800 Ultraの低クロック版でブリッジチップを使ってPCI Expressに対応。
Geforce 6800 ハイエンド 6800 Ultraのパイプラインを16本から12本に削って低クロック化したもの。

※大まかな変更点で細かい変更点はほかにもあるかもしれません。