はじめに
Windows XPは2001年にWindows 2000の後継として発売されたMicrosoftのオプレーティングシステムです。
開発コードネームはWhistlerで、ビジネス向けとコンシューマ向けの双方のOSの後継として提供され、長らく別々に開発されてきたWindowsが一本化されました。Windows XPは製品的にはWindows 2000の後継となりますが、マーケティング的にはコンシューマ向けのWindows 9x系の後継としても提供されました。これにより長らくビジネス向けとコンシューマ向けで別々に開発されてきたWindowsが一つにまとまることになったのが大きな特徴です。
なお、用途に応じてProfessionalEditonとHome Editionなど複数の種類がありますが、機能制限を加えただけでベースは同じモノです。
主な仕様 (Windows XP)
- コンシューマ向けとビジネス向けOSが統合。
- 複数のエディション。
- 起動時間の短縮やGUIのデザイン変更。
- 強力なセキュリティ機能とネットワーク機能。
ソフトウェア機能表
ソフト名 | Windows XP |
---|---|
バージョン | 5.1 |
32bit化 | 32bit |
DOSにネイティブ対応 | × |
DirectX | DirectX 8.1 - 9 |
Internet Explorer | Internet Explorer 6 - 8 |
Windows Media Player | Windows Media Player 8 - 11 |
その他 | セキュリティと省電力機能 |
特徴
Windows XPのリリースは、ベースとなるWindows 2000のリリースからわずか1年半後で、そのため大幅な変更などはなくOSとしての基本はそのまま踏襲されています。しかし、ビジネス向けのWindows2000だけでなく、コンシューマ向けWindows 9x/MEの後継としても提供されたため、長らく別々に開発されてきたWindowsが一つに統合されたという部分で大きな意味があります。
Windows XPにはコンシューマ向けのHome Editionやビジネス向けのProfessional Editonなど複数のエディションがあり、搭載される機能に差があります。しかし、これは同じOSをベースに機能の追加や制限をしているだけで、別々に開発されていた従来のWindows2000とWindows 9x/MEの関係とは大きく異なります。この仕組みは次期バージョンであるWindows Vistaなどにも引き継がれています。
Windows XPでは、起動時間の短縮やユーザーの簡易切り替え(アプリケーションなどを実行したまま別のユーザーに切り替えられる機能)の搭載など細かな改良が行われているほか、従来サーバー向けだった技術をコンシューマ向けに応用したリモートアシスタントやリモートデスクトップといったパソコンをネットワークから遠隔操作する機能も搭載されています。
また、GUIのデザインをカスタマイズできる機能が搭載され、標準でLunaとよばれる従来よりもカラフルなビジュアルスタイルが適用されているのも特徴です。ただし、あくまでデザインのカスタマイズであり、Windows95以来のスタイル(クラシックスタイル)にすることもできるなど、GUI自体は変更されていないのがWindows Vistaの場合と異なります。
また、Windows XPから1つのライセンスで1台のパソコンにしかインストールできないようにするため、同社のOSとして初めてプロダクトアクティベーションよばれる認証技術が導入されました。これにより不正コピーや海賊版の減少に一定の効果を発揮した一方で、正規ユーザーに対しても不便を強いているという問題も指摘されています。
Windows XPは後継のWindows Vistaが要求スペックの高さや互換性の問題からユーザーに敬遠されたため、異例の長さで現役を続けることになりました。さらに、大ブレイクしていたネットブックとよばれる安価で低スペックなパソコンではWindowsVistaを快適に利用することが難しかったたのも一因でした。このため、Windows XPはWindows Vistaが登場した後も最新のパソコンにインストールされて出荷され続けることになり、この状況はWindowsVistaの後継OSであるWindows 7が登場するまで続きました。
Windows XPはロングセラーとなったために後々多くのアップデートや機能強化が行われ、特にService Pack 2ではセキュリティに対する大規模なアップデートが行われて堅牢性が大幅に改善しています。それらの強化もあって10年以上というOSとしては異例の長きに渡って現役で活躍する、Microsoftを代表するOSとして君臨することになったのです。
ラインナップ
製品名 | 用途 | 備考 |
---|---|---|
Windows XP Professional Edition | ビジネス、ハイエンドユーザ向け | - |
Windows XP Home Edition | パーソナルユーザ向け | 一部の機能を制限 |
Windows XP Media Center Edition | マルチメディア向け | メディアセンター機能を追加 |
Windows XP Professional x64 Edition | 64bit 環境向け | Professnal Edition の 64bit版 |