サウンドカードの詳細

サウンドカードの役割

パソコンで使う音には大きく分けて二つます。

一つはWAVEやCD及びそれを圧縮したMP3やWMAなどで、これは実際に歌ったり演奏したりした曲をそのままPCM(Pulse Code Modulation)と呼ばれる方法でデジタルデータに変換して保存します。テープやレコードも同じように実際に演奏したものを記録したものですがデジタルデータかアナログデータかの違いがあります。サウンドカードはパソコン上で再生されたこれらのデータを音響機器(ヘッドホンやスピーカー)向けのアナログ信号やデジタル信号に変換して出力します。

もう一つはMIDIなどで、これは演奏する曲の演奏方法をデータにして保存したもので、演奏は再生するパソコン自身が行います。楽譜のようなもので、パソコンは楽譜を読んでピアノなりヴァイオリンなどを演奏します。MIDIの演奏については、ソフトウェア的に処理ができるのでコスト重視の製品は搭載していない場合があります。マザーボードに標準で搭載されているようなサウンド機能はえてしてMIDIの再生機能は搭載していません。これらの機能を持つ機器はMIDI音源などと呼ばれ、サウンドカードでハードウェア的にこれらを演奏する機能をもっているものをMIDI音源搭載などと呼ばれます。ソフトウェアであれ、ハードウェアであれ演奏されたあとはWAVEと同様に音響機器向けの信号に変換されて出力されます。

DirectXに代表されるゲームの効果音などのエフィクト(残響効果など)を演算する機能も持っている場合があります。これもソフトウェア的に処理ができるので搭載していない製品も存在します。ただし、ソフトウェアといえでもサウンドカードがDirectXそのものに対応していないとDirectXのサウンド機能を使うゲームをプレイするときに音がならなかったり、ゲーム自体ができなかったりするのでDirectX対応は一般的には必須と考えてよいと思います。

サウンドカードには出力以外に入力をサポートする機能もあり、音響機器やマイクからのアナログ信号やデジタル信号を入力してPCM方式でパソコンで扱えるWAVEに変換して録音したりします。同様にMIDI信号も入力することができ、鍵盤状のMIDIキーボードなどを接続して演奏することでMIDIデータを入力することができます。

以前、CD-ROMとはアナログ方式で接続されていました。このため、本来CD-ROMで音楽を再生する分にはほとんどサウンドカードは不要ですが、他の音声と同じようにスピーカーに出力できるようにサウンドカードに入力されます。CD-ROMドライブの前面にヘッドホン端子が付いているものもあり、そこでにヘッドホンを差し込めばサウンドカードを搭載しないでも再生できるます。現在はCD-ROMとS/F DIFデジタル出力で接続されたり、CD-ROMと同様に音楽データも他のデータと同じように吸い出してパソコンで再生するということもあるのでその際にはサウンドカードが必用です。

サウンドカードの仕組み

現在のサウンドカードには、サウンドカードに搭載された各種機能を司る『サウンドチップ』とパソコン上の音楽データを音響機器向けのアナログ信号またはS/F DIFなどのデジタル信号に変換する『コーディック』と呼ばれるものを搭載しています。この役割分けはAC'97という規格で定められたもので『サウンドチップ』をデジタルコントローラ、『コーディック』をアナログコントローラと言います。(ちなみにアナログコントローラといいながらも、S/F DIFデジタル出力はこちらがコントロールしている。)
AC'97について詳しくはColumn 02を参照してください。

サウンドチップはPC内部との処理を担当し、コーディックは外部との処理を行うものだと考えるといいでしょう。一般にサウンドチップがそのサウンドカードの仕様(音質よりもむしろ機能)を決定し、逆にコーディックがサウンドカードの音質を左右します。ただし、音質はノイズ対策等に大きく左右されるので左右はしてもコーディックだけでは決まりません。
音質について詳しくはColumn 01を参照してください。

パソコン上で再生された音データはパソコン内部ではパソコンの信号としてPCIバスを通ってサウンドカードまで行きます。サウンドカードに送られた信号はサンドウチップにてエフィクトやMIDI再生などの処理がなされます。さらに信号はコーディックで一般的なオーディオ機器が再生できるアナログ信号やデジタル信号に変換されて出力されるのです。

サウンドカードデバイスの種類

サウンドデバイスはサウンドカードの他にもいろいろなアプローチが存在していてそれぞれ特徴があります。

分類 特徴
サウンドカード PCIやISAバスに接続する拡張カード。
もっとも数が豊富で品質や機能もピンからキリまである。
USBサウンド USBに接続するデバイス。
本来はパソコン内部から取り出すためにノイズの影響を受けにくく高音質化すると思われたが、実際にはサウンドカードとそれほど差がないらしい。
一般的に高価になるが、省スペース型やノートパソコン又は使いまわし等には便利。
オンボード マザーボードに搭載されたもの。
サウンドカードのチップが単にマザーボードに搭載される場合もあればサウスブリッジがその機能をもっているものもある。一般的にオマケなので品質や機能は低いが音はなれば良いという場合なら安価でよい。