Sound Blaster X-Fi

はじめに

Sound Blaster X-Fi は2005年にSound Blaster Audigy 4(Sound Blaster Audigyシリーズ) の後継として発売されたサウンドボードです。

なお、Sound Blaster X-Fiの一部の機能を搭載したUSBモデルなどに『Sound Blaster X-Fi』のブランドをつけているものもありますが、ここではX-Fiエンジンを搭載しているモデルについてお話しします。

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主な仕様

特徴

このボードが登場した時には、すでにマザーボードに標準でサウンド機能が搭載されるようになっていたため、Sound Blaster X-Fi は主にゲーム向けの機能を強化して差別化を図った製品と言えます。

Sound Blaster X-Fi は『X-Fiエンジン』と呼ばれる、Audigyプロセッサの24倍以上という圧倒的な性能を誇るDSPが搭載され、新たに規格化されたEAX ADVANCED HD 5.0の強力なエフェクトなどがCPUの負荷をかけずに処理できることが大きな特徴です。また、上位モデルには『X-Fiエンジン』用のキャッシュメモリを搭載していて、メインメモリやPCIバスの負荷も軽減する設計となっています。

余談ですが、この『X-Fiエンジン』はPCI版が『CA20K1』、PCI-Express版が『CA20K2』というプロセッサです。ISA世代の『Sound Blaster AWE 32』には『EMU8000』が、『Sound Blaster Live!』は『EMU10K1』、『Sound Blster Audigy』シリーズは『EMU10K2』が使われていました。

なお、EMUはCreativeに買収されて傘下にある会社の名前(E-MU System)です。以前は同じチップをE-MUブランドの製品でも採用していましたが、最近は同じチップでも別の名前で販売しているのでCA(Creativeブランド)にしたのではないかと思います。そう考えるとISAバス時代から脈々と受け継がれているのだなぁと感慨深いです。

また、第2世代はネイティブでPCI-Expressに対応したのも大きな特徴で、Sound Blaster シリーズの主力モデルで初めてPCI-Expressに対応した製品となりました。余談ですが、Creative は ISA バスから PCI バスへの移行の際にはずいぶんと時間がかかったので今回は素早い対応です。なお一足先にSound Blaster X-Fi Xtreme Audioという製品が登場していますが、こちらは『X-Fiエンジン』未搭載の罠(笑)。PCI 移行の時もSound Blaster PCI 64なるツナギ的な製品があったなぁと。

なお、第2世代では Dolby Digital や DTS にリアルタイムでエンコードしてデジタル出力する『Dolby Digital Live』と『DTS Connect』にも対応して、ゲームなどパソコン上で生成されたマルチチャンネル出力を一本のデジタルケーブルでAVアンプ等に出力できるようになりました。

ゲーム以外にも『X-Fiエンジン』の処理能力を生かして、サラウンド化や音質補正を行う『X-Fiテクノロジー』と総称される機能が搭載されていて、リスニング用途でも定評があります。なお、この技術はソフトウェアでも実現できるようで同社の音楽プレーヤーやタブレットなどにも搭載されています。

また、Sound Blaster X-Fi は 従来と同様に 『Sound Font』という高性能なMIDIシンセサイザーを搭載し、低レイテンシーで入出力が行えるASIOドライバにも対応するなどDTM分野でも活用できるスペックとなっています。

なお、Sound Blasterシリーズの大きな特徴の一つがEAXのハードウェア処理ですが、2006年に登場したWindows VistaでOSの仕様変更にともないサポートできなくなり、Sound Blaster X-Fi シリーズは大きな影響を受けました。というか、ゲーマーが Vista への移行を見送って 影響を受けたのは Vista の方かも。Creativ は EAX を Vista でサポートされる OpenAL に変換する『Creative ALchemy』を開発することで対応しましたが、ややスマートさにかけるので今後変わっていくかもしれません。

すでにオンボードサウンドと高性能なCPUによって、高性能なサウンドボードを必要としているユーザーが減りつりましたが、従来の高性能路線を踏襲した Sound Blaster X-Fi は、ゲーマーを中心に確実にニーズは存在しており、業界標準であり続けるCreativeの主力製品として確固たる地位を築いた製品といえます。