Windows 2000 Second Edition の提案

はじめに

開発中のWindows Vistaに対して、Windows 2000のような軽いOSのニーズについて、願望をふんだんに盛り込んであれこれ書いたものです。

Windows 2000 Second Edition の提案 2006年02月07日

さてはて、Windows Vistaではどうやら7種類のパッケージが登場するようです。さらに64bit版と32bit版がでるとかで、きっとアカデミック版とアップグレード版と考えていくと、売る方は大変ですね。

顧客のニーズに合わせて細かく分けるというのは悪いことではないとは思います。とくにWinXPやWinVistaの場合、内部で一部の機能を無効にしているだけなんで、作り手としてはそれほど労なく多くの種類ができてしまうワケですから使わない手はないと考えたのでしょう。

すこし趣旨が異なりますが、CPUの周波数やバリエーションなんかも、同じものから差別化しているという点は同じでしょう。
グラフィックチップなんざ、もはや販売店でも混乱気味に種類が多いことを考えると、きめ細やかなバリエーションってのは昨今の流行なのかもしれませんね。

ところで、WinXPがでるまではMicrosoftは2種類のOSを別々に開発していました。1つはWin3.1系列で、Win95やWin98、WinMEなんかがそうです。平行して、WinNT、Win2000、WinXPと開発していたチームがいたのですが、やっと?WinXPで統一したというワケです。

確かに、周辺機器や各種ソフトを開発しているメーカーにとっては種類が多いことは好ましくないです。しかし、Windowsは今や95%以上のシェアを誇り事実上ほかに選択肢がない以上、方向性が異なる2種類くらいの製品を作ってもらいたいと思うのです。

Vistaには7つのバリエーションがありますが、ほとんどコストと機能に差があるだけです。つまり、より多くのお金を積めば、機能限定が外れていくというシステムで、当然ながら基本的には同じ物です。

Windowsのユーザーの意見を2種類に分けるとすれば、便利な機能を満載しているWindowsが欲しい人、機能は今と同程度でもいいから軽くて安定しているWindowsが欲しい人です。もちろん、機能満載で軽くて安定しているのがベストではありますが、そりゃ現実的に無理でしょう。そもそも機能が増えればそれだけ重くなりますし。

Vistaは前者に向けて開発された製品だと思います。初心者でほとんど機能を使わないという人も実は前者の方が向いています。初心者に優しい機能も追加された機能の一つだからです。

しかし、後者を望む人はどうでしょうか。後者向けの製品がない現在は古いOSを使い続けるのが最適な選択肢になってしまいます。Microsoftは新しいOSへの移行はコストと手間が障壁になっていると考えている節がありますが、必ずしもそうではないと思います。つまり、最新のOSよりも旧来のOSの方がより良いから。。。という理由も少なからずあると思うのです。

Vistaの開発にこれだけ遅れてヒーコラ言っている現状で、平行して新OSの開発をするのは現実的ではないと考えられます。そこで、CPUの業界を見てみると面白い事例があります。IntelはPentium 4がノートパソコンに不向きであったため、Pentium IIIをベースにノート用のCPUを開発したという経緯があります。

よく、Windows 2000で充分なんだけど。。。なんていう事を聞きます。かく言う私もその一人です。Microsoftはとてもサポートのよい会社だと私は思います。2000年に販売されたOSを今でも現役でサポートして新機能を無料で提供するような会社はそうはありません。しかし、いつまでも無料でサポートしていたらMicrosoftの商売あがったりですね。

ですから、Windows 2000をベースにより最適化を進めて、目新しい機能は追加せずに、ひたすら安定性と軽さを追求したOSシリーズを販売してみるのはいかがなモノでしょうか?もしろん、ほとんど追加機能がない製品に顧客がいくらお金を払うかという点に尽きますが、安定性と軽さというものに対して顧客がどの程度対価を払うかという点は試してみる価値はあると思うのです。また、Windows2000はそろそろサポート期限が切れますが、当然新OSになればサポートはまた続行するわけでそれも付加価値になります。

企業の選択はかなり期待できます。例えば現行で使っているWindows 2000と近いのでアップグレードするにしろ新規に導入するにしろ保守の面で有利です。さらに動作が軽ければ低スペックのマシンでも快適に利用できるわけですから大量導入の際には大きなアドバンテージになります。Microsoftのサポートが今後も期待できるので、トラブルを嫌う企業には魅力的な製品になると思うのです。

最適化に特化するとは言いましたが、時代の変化もあることですからある程度の追加機能というのも若干ながら必要でしょう。例えば、ハイパースレッディングなど新しい機器への対応、セキュリティ機能の強化なんかは行うべきでしょう。逆に言えば現時点で顧客が本当に必要としているのは事の程度のものだと思うわけです。たったこの程度の強化の為にパソコンを新調するようでは、買い換える意欲がわかなくても当然です。

最後に、Windows 2000をベースにすることで開発リソースを少なくできることと同時に、周辺機器や各種ソフトメーカーの開発もWindows2000をベースにするのでリソースを少なくできるメリットもあるのです。

昔、家庭向けのWindows 95と企業向けのWindows NTが併売されていた時代がありました。この構想はきっとWindows NTに近いモノがあると思います。Microsoftにはぜひ顧客の要望をピンポイントで満たした製品をこれからも作ってもらいたいと思う次第なわけです。