Internet Explorerという名前。

はじめに

Internet Explorerは世界最大のシェアを持つブラウザであり、それと同時に多くの黒い話題を提供しているブラウザでもあります。ここでは、InternetExplorerのソフトとしての議論はさておき、この『名前』についてお話しようと思います。

Internet Explorerという名前。 2006年08月01日

Microsoftの開発した世界最大のシェアを持つブラウザ、Internet Explorer。それと同時に、多くの黒い話題を提供している側面も併せ持ちます。

当時ブラウザが有料で提供される『ふつうのソフト』であった時代に、無料でありながら本格的なブラウザとして提供され、そしてWindowsの強大なシェアを背景にユーザーを増やし、独占禁止法やセキュリティホールなどの数々の問題を話題にさせつつも、今でも多くの人に使われているブラウザです。

Internet Explorerのソフトとしての性能に関しては色々な意見がありますが、少なくとも私はすでに無料なブラウザが存在するにもかかわらず圧倒的なシェアを保っているのは単に『OSにバンドルされているから』という理由だけでなく、やはりソフトとして優れていたからだと思います。

まぁ性能のことについては置いておいて、今回のところは、このInternet Explorerという名前について考えてみたいと思います。

両親が子供に名前をつける時のように、ソフトにも誰かが名前をつけます。ただし、ソフトの場合は販売するならできるだけ売れるように戦略的な名前をつける必要もあったりと少々複雑になりますが、やはり人間が命名するだけあって開発側のスタンスが伝わってきます。

最近のMicrosoftは、製品に『Windows』を付けることがしばしばです。『Windows Media Player』、『WindowsMovie Maker』、『Windows Messenger』。。。VistaではOutlook Expressが『Windows Mail』に名前が変更になるとか。

これは言うまでもなく、すでに市場で高いシェアを占め知名度のある『Windows』を冠することで、これらのソフトの魅力を高める狙いがあると思われます。そして、このあたりに最近のMicrosoftの姿勢が垣間見られるような気がします。つまり、『Windows』の知名度を最大限に利用して、他の戦略を有利に進めようというワケです。もちろんMicrosoftは営利企業であり、戦略的に販売することは当然の事です。

Internet Explorerの次にMicrosoftが制覇を目指したマルチメディア戦略の『Windows Media Technology』には『Windows』の名が入っています。InternetExplorerは、Microsoftがこのような戦略を取る前に製品として登場したものと言えると思います。

『Internet Explorer』、インターネットの世界の探索者。
まだ行ったことのないインターネットの未知の世界に探険に乗り出す。
良い名前だと思いませんか?

昔のWindowsには隠しコマンドでプログラマのスタッフロールが流れたりと、プログラマの遊び心が詰まっていたものですが、最近あまり聞かなくなりました。Microsoftは営利企業ですがソフトウェアの企業でもあります。戦略も大切なことですが、ソフトウェアに対するスタンスとコダワリをもった製品を生み出すような企業であってほしいと思うのです。