餅は餅屋のファイル操作。

餅は餅屋のファイル操作。

昔はファイル操作といえばエクスプローラーでした。エクスプローラーでファイルを探し、ファイルを実行し、そしてファイルを保存する。いわば Windows のファイル操作はエクスプローラーに始まり、エクスプローラーで終わっていたのです。

ところが、最近ではちょっと状況が変わってきているような気がします。

たとえば、iTunes。iTunesは音楽ファイルを管理する機能も充実していて、ユーザーは音楽ファイルがHDD上のどこにあるのか特に知らなくても、iTunes上で目的の曲を容易に探し出して再生することができます。

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写真で言えば、Picasa などがあります。Picasa を使えばエクスプローラーでサムネイルが表示されないような RAWデータ もサムネイル表示されたり、そのまま編集画面に移行できたり、充実した機能が搭載されています。

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Windows の標準アプリケーションでも、Windows Media Player や Windows Live Photo Gallery、Windows Multimedia Center などは、独自のファイル管理機能をもっています(もっとも、これらはひょっとしたら内部でエクスプローラーを活用しているのかもしれませんが)。

そうなってきた背景には、アプリケーションの基本機能では差別化が難しくなっているということや、管理機能を使ってもらえれば他の競合アプリケーションへの乗り換えが難しくなるという理由も見え隠れしますが、純粋にそれが便利だったからというのもまた事実でしょう。

もっとも、エクスプローラーは様々な種類のファイルを一括して扱えるという利点がありますし、操作方法がどのファイルでも同じという面で便利です。もちろん、扱える自由度も高いのでエクスプローラーが今後も必要なことには変わりません。ただ今後はビギナーを中心に、以前ほど活用されることは少なくなっていくかもしれません。

ファイル操作関連ではもう一つトレンドがあります。それはファイル検索です。

ファイルを日頃からきちんと管理していて、必要な時に目的のファイルを明確な意志をもって見つけ出してくるというスタイルから、HDDのどっかにある目的のファイルを昨今の強力なマシンパワーを活用して探してもらう、という新しいスタイルへの流れです。大容量のHDDにOSを含めて丸ごとバックアップしていれば、ユーザーはファイルがどこにあるかなんて気にしなくても構わないといういうワケです。

最近ではドキュメントの中身まで解析してインデックスを作っているので、もはやファイル名も覚える必要がなくなりました。鼻歌で音楽ファイルが検索できる時代もすぐそこに来ているような気がします。

そういう意味で、エクスプローラーのようなファイラーと呼ばれる『ファイルを管理する』アプリケーションによって、ファイルの位置を把握して管理するスタイルではなくなってきているのかもしれません。

昔から、餅は餅屋という言葉があります。

とすると、画像ファイルは画像ファイル管理ソフト、音楽ファイルは音楽ファイル管理ソフト、昔の知恵に コンピューター が今近づいたということになるのでしょうか。