Windows 7 ファーストインプレッション。

はじめに

2009年にWindows 7のベータ版からRC版、製品版と使ってみた感想をIあれこれ書いたものです。

Windows 7 ファーストインプレッション。

昨日、Windows 7のベーター版をダウンロードしてインストールしてちょっと使ってみました。それほど使い込んだわけじゃないですが、その感想を。

まず、『Windows 7』は『Windows Vista』の後継OSで、来年くらいに発売される予定のOSです。マイクロソフトのOSは、メジャーアップグレードとよばれる大規模な進化マイナーアップグレードと呼ばれる改良版があります。ちなみに、過去のOSを振り返ってみるとこんな感じになります。

バージョン メジャー マイナー
4.0 Windows 95 (Ver.4.0) Windows 98 (Ver.4.1)
NT 5.0 Windows 2000 (Ver.5.0) Windows XP (Ver5.1)
NT 6.0 Windows Vista (Ver.6.0) Windows 7 (Ver.6.1)

『Windows Vista』はバージョンで言うとVer.6.0にあたります。ですから、『Windows 7』という名前を聞くとVer.7.0でメジャーアップグレードじゃないか?と思ってしまいますが、実はVer.6.1です。

そんな詐欺な(笑)、と思いたくもなりますが、あくまで『Windows 7』は製品名。『Windows 2000』もVer.2000だったわけじゃないのでご愛嬌といったところでしょうか。

でも、そんな名前をつけるあたり、『Windows Vista』は製品としてはどうかわかりませんが、商業的には失敗だったということかもしれません。そして新しいOSが『Windows Vista』のマイナーアップグレードと思われたくなかったから『Windows 7』になったというのが私の推測です。

え?名前はどうでもいい?

いやいや、そういう経緯のOSだということが前提として大事です。つまり、中身はそれほど変わっていなくても、見た目はガラリと変えてくるのではないか?と予測していました。パッと見が違えば、大きく変わったと消費者は思うからです。

しかし、予想に反して実際のWindows 7はWindows Vistaと見た目はほとんど差がなさそうというのが私の印象です。

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ただ、エクスプローラのサイドバーなど細かいところは使いやすくなっていると思います。タスクバーが新しくなっていますが、いまのところ使いこなしていないのでまだ評価はしないことに。個人的にはクラシック表示のスタートメニューが選べないのは悲しいです。

ベータ版なので仕方がないですが、フリーズとかは結構あります。私が『Windows Vista』を使いたくないと思った最大の理由である、ファイル操作はやっぱり苦手のようです。コピーや削除がやたらに時間がかかる上にフリーズすることも少なくありません。ファイル操作はOSの基本なので製品版では改善されていないと、また古いOSを使い続けることに。。。

ちなみに、『Windows Vista』より軽いというもっぱらのうわさですが、あまり変わらなかったです。むしろ、アプリケーションを立ち上げていない状態でメモリを1.5GBとか消費していました。この手の部分は最後に改善される場所なので今評価すべきではないですが、『Windows XP』世代のOSと同じレベルではないということは言えると思います。

アプリケーションの互換性ですが、『Windows Vista』対応のアプリケーションでこのWindowsには対応していませんと表示されるアプリケーションが少なくなかったです。ただ、大半はOSのバージョンチェックで『得たいの知れないOS』と判断されてはじいているもので、互換モードに設定するなどで動きます。とはいえ、一般的な消費者にとっては普通に使えないことには変わらないのも事実です。

マイクロソフトは『Windows Vista』との互換性が非常に高いと宣伝していますが、そのメリットは消費者よりも、変更をあまりしなくてもよいアプリケーションメーカーのためのものかもしれません。まぁ、アプリケーションメーカーも新しいアプリケーションを買ってもらえないと困るので、これもいたし方ないのかもしれません。

実用とはまったく関係ないですが、『Windows Vista』からGUI(見た目)の整合性が悪くなったなぁと思います。昔のWindowsは良くも悪くも質実剛健なデザインでしたが、どこも似たようなデザインだったので直感的に操作できました。

『Windows 7』にはOfficeのリボン風のデザインと、Windows Live風のデザインと、昔ながらのデザイン、そのほかWindows Vista風のデザインなど同じ製品に付属するものとは思えないほどデザインがバラバラです。見た目は売り上げにも影響するので大切ですが、使い勝手が悪くなってしまっては本末転倒です。次のOSでは、クールでかっこいいデザインで、さらにOSのすべてデザインが揃っているようになったらいいなぁと思うところです。

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マイクロソフトはWindows Liveに力を入れているので、OSレベルでWindows Liveと連携してくる(Sky Driveがエクスプローラに表示されるとか)かと思っていましたが、見る限りそういった機能はなさそうです。その辺りは次期Windowsに期待されるところでしょうか。

まだ一日も使ってないので、とりあえず印象ということでざっくばらんにまとめてみました。まとまってなかったかもしれません。ちなみに、Windows Liveのブログをまともに使うのも初めてだったりします。こちらのほうも『Windows 7』に負けず劣らず新鮮だったりします。こちらの方のインプレッションもいつか書くかもしれません。

Windows 7 ファーストインプレッション。(2)

今日、Windows 7 RCをインストールしてみたので、その感想を。なお、Windows 7 RCが一般向けにリリースされるのは、アメリカが5/5で、日本は5/7ですが、アメリカのサイトにいくと5/5の時点で日本語版もダウンロードできました。というか、日本語版を選ぶと日本語の説明のページまでご丁寧に出てきました。ベータ版も日本語版はダウンロードできましたが、説明は英語のままだったような記憶があるので着実な進歩を遂げているのかもしれません。

さて、まず第一印象はかなり軽くなったと思います。とくにウィンドウなどの表示などがもたつく感じがなくなりました。これは他のレビューとは異なる見解かもしれませんが、ベータ版に比べてもかなり改善したと思います。また、クラシック表示はVistaだと劇的に遅くなりましたがWindows 7では改善されていてAeroのときと遜色がない速度です。

ちなみに、Windows 7をクラシック表示にするとこんなにフツーに成り果てますw

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速度が向上しているのはあくまで表示関連のみのようで、コピーなどのファイル操作は相変わらずWindows XPに比べて遅いと感じます。Vistaからはコピーにもネットからのファイルのダウンロードのように転送速度が表示されますが、6MB/sや7MB/s といった数値が表示され、ネットであれば高速ですが理論値250MB/sのHDDとしてはかなり低速といえるのではないでしょうか。

安定性に関してはあまり使い倒してないのでなんとも言いがたいですが、ちゃんとフリーズはしています。でも、Vista/7ベータ版にくらべて、フリーズした際にシステム自体の復旧できる確率があがった気がします。ベータ版はプログラム単体のフリーズでOSが完全に落ちてハードウェアのリセットスイッチにお世話になることが結構あったので、改善しているのかもしれません。なお、私はWindowsの操作が荒いことには定評があって、人の家のPCを扱うと大概フリーズをさせて怒られているので参考までにw。

見た目はあまり変わりません。起動画面に、「Windows を起動しています。」と日本語で表示されるようになりました。ちゃんと翻訳しているわけですからイイことなのでしょうけれども、なんとなくダサいような気がしますw。むか~し、Windows 95で終了時に「Windowsを終了しています。」(たた~♪)と表示されたのを思い出します。懐かしいです。。。

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ベータ版のときに問題があったアプリケーションを試してました。

結果、ベータ版で失敗していて、RC版で成功したのはCreativeのドライバーだけでした。数自体が少ないのであまり評価できないのですが、RC版は互換性が向上するようなことをMicrosoftが言っていただけにちょっと残念です。ちなみに、これらはベータ版からソフト/ドライバーのバージョンは上がっていませんので、Creativeのドライバーに関してはWindows側の改善によって対応したことになります。きっと、製品版がでるころにはアプリケーション側が対応しているのではないかと思われます。

とりあえず、今日のところはここまでで。

Windows 7 ファーストインプレッション。(3)

今回は、RC版で新たに加わった機能のうち目玉の一つであるWindows XP Mode。。。で利用されている新しいVirtual PCとWindows XP SP3イメージをほんの少し試してみました。

まず、Windows XP Mode用にダウンロードできるWindows XP SP3イメージを起動してみました。Virtual PC 2007で利用するWindows XPに比べてずいぶんと動作速度が改善されているように思います。最適化が進んでいることが期待できるのではないでしょうか。

システムのプロパティを見ると、Windows XPと書かれているものの左の旗の色が違います。

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スタートメニューを見るとWindows Terminal Serverとなっているので、Windows XPそのものとは若干違うようです。

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プロパティシートにはWindows XPと書かれていたので、Windows XP Mode用にWindows Terminal Serverをベースに作ったのかもしれません。

プロパティでCPUはCore2 Duoとなっていましたが、タスクマネージャを見るとシングルコアとして認識されていることがわかります。これはVirtual PC 2004から同じです。

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ちょっと気になったのが、デバイスマネージャーに謎のハードウェアが。Virtual PCは仮想的なPCを作ってその上でWindowsを走らせます。ですから、どんなパソコンを使っていてもVirtual PC上のWindowsから見れば同じです。しかも、かなり古いスペックのもの(Windows 95世代のPC?)をシミュレーションしているので、Windows XP級のWindowsでは標準ドライバで事足りるのです。それがなぜか認識していないデバイスが。。。謎です。

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こんなところです。

さて、肝心のWindows XP Modeそのものですが、個人的には万人に必要な機能ではないと思います。と、いうのもこのWindows XPモードは仮想マシンをシミュレーションしているので、マシンに搭載されたハードウェアに関連するアプリケーションは使えないからです。

例えば、キャプチャーカードの付属ソフトとか、DirectX 9対応のGPUを利用するゲームなどは利用できないハズです。そして、逆にハードウェアに関連しないようなアプリケーションの場合は多くがそのままか、互換モードで動いてしまうのです。

ですから、あるに越したことはなく、場合によっては重宝する機能ですが、必ずしも全員がその恩恵にあずかることができるかというとあまり多くないかも知れません。

ただ、このWindows XPモードが進化して、すべてのアプリケーションが最初からWindows XPモードのように仮想マシン上で動くようになった場合、新しいWindowsがでたときの互換性の問題はなくなるかもしれません。

Windows 7 ファーストインプレッション。(4)

今回は、厳密にいうと”Windows 7”というよりも64bit版のWindowsのインプレッションです。

64bit 対応のハードウェア(CPU)はずいぶんと前からあって、OSもWindows Vistaからは一部の下位エディション以外は64bit版が用意されています。にもかかわらず、64bit版が流行っている感じはしません。少なくともコンシューマ向けに関しては64bit化というのはトレンドではなさそうです。やっと最近になって、SONYなどのメーカーが64bit版をプリインストールして出荷するようになりましたが、それは4GBのメモリを積んだから仕方なく。。。というのが本音ではないでしょうか。

そもそも、『64bit版ってすげぇ』っていうワクワク感なようなものはほとんどなく、むしろ『64bit版っていろいろメンドウそう』というイメージまであるような気がします。確かにドライバ関連では、地デジチューナーを筆頭に未対応のパーツが数多くある状況ですからメンドウなのは間違いありません。

64bit版が普及するために必要なもの、それは32bit版ではできなくて64bit版でできること。

32bit版ではできなくて64bit版でできること、それは『64bitネイティブアプリケーションの実行』と『4GB以上のメモリを使う』の2点に尽きます。逆に言えば、この2点に関してあまりメリットがないのが現状とも言えます。

『64bitネイティブアプリケーション』は、まだ少数ですし、その中でも64bitネイティブであることを生かしているものはさらに少ないのが現状です。『4GB以上のメモリ』に関しても、実際にそんなに必要か?という疑問もあるでしょう。

そんな状況ですが、とりあえずWindows 7 RC版は64bit版を使っています。そして今日、Windows 7 RC上で普通にプログラムのヘルプファイルの作成作業をしていたら、使用メモリが4GBを超えていたのです。

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説明に使う画像ファイルを作っては閉じずに放置していたのが主な原因なのですが、普通な作業をやっていても4GB以上のメモリを使う状況になりうるのだなぁと素直に思いました。もちろん、小まめに使わないウィンドウを閉じれば済む話ですが、逆に大容量のメモリを積んだ昨今のパソコンでは、そういうワズラワシイ(と感じるかは別として手間には違いない)ことをしなくても良いということなのかもしれません。

Windows 7 ファーストインプレッション。(5)

いよいよ、Windows 7が一般に発売されました。色んなところで感想や報告が書かれているので、ファーストインプレッションで細かいことは割愛するとして、64bit版のお話を少々。

Windows 7では32bit版よりも64bit版の方が売れているらしいのです。64bit 版のメリットはいくつかありますが、コンシューマ向けで最も価値があると思われるのは、4GB以上のメモリを活用できる点だと思います(32bit版だと 3.4GBくらいまでしか使えない)。最近では4GB(2GB×2)のメモリの値段なんて数千円ほどなので、コンシューマ向けで64bit版を選ぶメリットとしては充分にあります。

以前4GB以上のメモリを使うことがあるのか?のような記事を書きましたが、先日Adobe Premiere Elementsの体験版でハイビジョン動画の編集をしてみたら一発で8GB近く行きました。

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ソフトが最適化されていないような感もあるものの、パソコンのスペックを最大限に使っていることを実感しました。こんなリッチなことはWindows XP (32bit)が登場したころの一般的なパソコンでは出来なかった処理だと思います。

今までできなかったコトが可能になることこそ、購入の動機になる『ワクワク感』なんじゃないかと思います。

ちなみに、Windows Vistaのパッケージ版ではUltimate以外はMicrosoftに実費を払って申し込まないと、64bit版が入手できないなど面倒な仕組みがありましたが、Windows 7では最初から両方入っているので任意のタイミングで64bitに移行することができます。

互換性に関しても、もともとアプリケーションはWindows XP Professional x64 Editionの頃から、よほど特殊なもの以外は問題なく動作していましたし、ハードウェアのドライバーも各社Windows 7の発売に合わせって対応してきているようです。

特に対応状況が悪かったTVチューナーカード類も、新しいものはほとんど64bit版の Windows 7にも対応しています。ただ、現行製品以外では対応する様子はないので、メーカーとしてはWindows 7発売を機に新しいのを買って下さいということなのでしょう。ユーザーとしては残念なところですが。

いずれにせよ、64bit版への移行のハードルが低くなっていることは確かです。64bit版の普及が進むと、こんどは64bitのメリットを活かした製品も登場するでしょう。そうなると、ますます64bit版への移行が進むという好循環がはじまります。これも、Microsoftの言う『エコシステム』の一つの形だと思いますが、

Windows 7発売を契機に、すでに動き始めているということなんじゃないかと思います。

Windows 7 ファーストインプレッション。(6)

Windows 7についてもう一つ。

私はゲームをやらないので、ゲーム関係の機能についてはもともと疎かったのですが、そもそもWindows 7のDirectXって何だろう?と疑問に思いました。

Windows Vistaの時は今までとは別格(らしい)のDirectX 10ってのが搭載され、これはWindows XPではサポートされないので、DirectX 10のハイクオリティなゲームを楽しむにはWindows Vistaを購入しよう的な話でした。

Windows 7では、DirectXにWindowsの基本的な表示機能を移行させるために新たに、Direct2DとかDirectWriteとかの機能が搭載されているという話題は何度か耳にしました。

補足ですが、Windowsでは大昔からGDIという表示機能を持っていました。汎用性が高く便利なのですが動作速度が若干遅かったので、ゲーム等のリアルタイム性が要求されるアプリケーション用により高速なDirectDrawとかDirect3Dといった機能が搭載されました。

これのサウンド版であるDirectSound/DirectMusicや入力(ゲームパッドとか)版のDirectInput等を総称したのが『Direct X』です。DirectXという一つの名称でカッコイイ響きだと思いますが、実はDirect○(だいれくと なんたら)と同じ感じですねw

イメージでいけば、GDIはWindowsがしっかり仲介するので互換性が高いのですがその分遅くなり、DirectDrawやDirect3Dは Windowsが仲介するものの、ハードウェアを『直接』、動かすのに近いので高速ですが互換性が若干損なわれるといったところです。ちなみに、『直接』なので『Direct』というワケです。

一般的なアプリケーションはGDIという機能を使っていたのですが、Windows 7ではそれらもDirectXで統一しましょうということを提唱して、GDIとほぼ同等の機能をDirectXで提供するDirect2Dや DirectWriteといった新機能を搭載したわけです。さらにGPUの機能を活用して高速で美しい表示ができるんだそうです。

話を戻すと、Windows 7はいったいDirectX の何が載っているのかということです。

DirectX 10に機能が追加されてはいるので10よりかは上なのでしょうけれども、これが、DirectX 10.1なのかDirectX 11なのか。。。はて。

しかも、どういうわけかWindows 7のDirectXについて触れているサイトが少ない。。。皆さんあんまり興味がないのかも。ま、ここまで引っ張ってナンなんですが、調べればすぐにわかります。

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正解はDirectX 11です。DirectX 10.1はWindows Vista SP1で公開されていました。。。

しかも、調べてみてわかったのですが、Windows VistaでもDirectX 11をサポートするようです。Microsoftのサイトを見てもイマイチわからないのですが、Windows Vista用 DirectX 11がすでに公開されているか、または近々公開されるかするようです。

Wikipedia あたりを見ればすぐにわかるこのネタを長々と書いたのは、DirectXの久しぶりのメジャーアップデートにも関わらず、ずいぶんとヒッソリとしているなぁというコトです。おりしも、Windows 7が発売されて、ネコも杓子もWindows 7のレビュー記事を書いているというのに、その中でDirect Xに触れている人がほとんどいないように思えます。

ま、まさかGoogleが意図的に検索結果から外している?実はヨクヨク考えると、たしかにブラウザ上で全てのコトを完結させることを理想とするGoogleにとって、速度と効率を優先させる方向のDirectXは相反する存在のような気もしてきますw

まぁ、Google先生がそんなことをすることはないでしょうから、やっぱり皆さんの興味があまりないのだと思います。それは何故か?

Windows 自身もそうですが、すでにユーザーが必要としている機能が従来のバージョンでも充分に提供されているということが要因の一つでしょう。もう一つは、やはり Windows Vistaでの失敗が響いているように思えます。私はWindows Vistaそのものの性能ウンヌンは言うつもりはありませんが、DirectX 10をWindows Vistaでのみのサポートとしてしまった点がマズかったのではないでしょうか。

いままでOSが登場すると新しいDirectXが搭載されているものでしたが、必ず一つ前、または二つ前くらいまでのOSで最新のDirectXをサポートしていました。例えばWindows XPでサポートされたDirectX 8.1はWindows 98もサポートしています。というよりも、DirectX 9.0cまでWindows 98/ME/2000/XPをサポートするのですから、DirectX 10がWindows Vistaのみのサポートとしたことが非常に例外的だったのがわかります。

もしゲーム会社の社長だったとして、仮に3割の人が Windows Vistaを使っている状況でも、Vistaを含めて9割の人が使えるDirectX 9.0でゲームを作るのと、どんなに頑張っても3割の人しか使えないDirectX 10でゲームを作るのとどちらが得策かは明らかです。たとえ、DirectX 10の方がハイクオリテォイの美しい世界が表示ができたとしても買って貰えなければ意味がありません。こういった理由から、鳴り物入りで登場した最新の DirectX 10はすっかりナリを潜めてしまいました。

DirectX 10が登場したのにも関わらず、最新のゲームタイトルがこぞってDirectX 9.0対応で登場していたら、Windows 7でDirectXの何が搭載されようとあまり興味がないのも頷けます。もっとも、Windows 7でのDirectXがあっと驚く新機能が盛りだくさんであれば話は別ですが、一般的なアプリケーション向けの2D表示関連の機能強化ですから話題性としてもそれほどではないでしょう。

加えて、一般的なアプリケーションへのDirectXの採用には互換性の問題が残るので対応はまだ先になるハズです。つまり、DirectX 11がWindows Vista以降にのみ対応しているということは、Direct X 11の新機能を使ったアプリケーションを作ると、それがいくら表示が美しく、高速であったとしても、現時点で最もユーザーの多いWindows XPがサポートから外れるか、表示処理を別々に作らなければならないということを意味することになります。それならば、別の機能面を強化した方が製品としては良い物に仕上がるというわけです。

Windows 7の評価は上々なので、徐々にWindows 7のユーザーは増え、Windows XPのユーザ-が減っていくことになるでしょう。Windows XP以前のユーザーが少数派になるころには、また状況が変わってくると思います。それが、DirectX 11対応の一般的なアプリケーションが登場する状況なのか、はたまたWindows OS自体が独占的ではない状況になっているのか、それはわかりませんが。。。

Windows 7 ファーストインプレッション。(7)

すでに、発売から2ヶ月以上経過ししているのでファーストインプレッションもなにもないかもしれませんが。。。

Windows 7 を使っていて思うのが、Windows Vista からあまり大きな違いはないという印象です。 Windows Vista はベータ版とRC版の際に長く使っていましたが、製品版はメインでは使っていなかったので若干記憶が曖昧な部分もありますが。。。

ちまたでよく言われている、パフォーマンスに関してはハードウェアの進化によって解決する問題なので最初の頃のパフォーマンスは特に気にしていません。今では軽いともてはやされている Windows XP ですが、登場した当初は Windows Vista と同じように遅い、重いとさんざん言われていたのを思い出します(なつかしい)。バックグラウンドの機能や安定性が強化されれば遅くなるのは当然で、問題はその強化が必要とされている機能であったか、ということだと思います。

もっとも、2D の ハードウェア支援が再び使えるようになったのは体感できるので、これはうれしい改善です。ウィンドウの表示に関しては、メモリを効率的に使えるようにも改善されたようなので、これも使っていて実感できます。もっとも、4GB以上搭載しているような環境では、これが実際にパフォーマンスにどの程度の影響を与えるほどかと言われると、たいしたことはないのかもしれませんが。

私はどちらかというと細かい改良点の方が気に入っています。

たとえば、USB デバイスを取り外す時にちょっと詳しめに内容が書かれているとか、

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フォルダの上書きの記述が統合になっているとか、

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フォントのフォルダで、ボールドとかイタリックとかの内容がまとめられていて分かりやすいとか、

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他にも、デスクトップの表示などは便利で使っています。

逆に、鳴り物入りで宣伝されている Aero Preview は小さすぎてほとんど見えないのであまり活用していません。Aero Shake や Aero Snap は使ってみたこともあり、便利だとは思うものの、間違って実行してしまうこともしばしばで案外不便だと感じることもあります(設定で無効にできた方が便利だと思う人もいるかもしれません)。

『ホームネットワーク』や『デバイスとプリンタ』といった機能は、どちらかというとこれからコンピューターを覚えるビギナーにとって便利な機能だと思います。逆に、今までバリバリとコンピューターを使っていた人にとっては、あまりメリットを感じないでしょう。『Windows Search』もファイルの管理を自分でしている人には、インデックス化によってパフォーマンスが低下するので不要と考える人も少なくないと思います。

また、Windows 7 には、表面的には見えない部分の強化点として、センサーや電源などの API の整備もあげられます。特にセンサーには GPS も含まれているので、タッチセンサ-と合わせて、Windows 7 の組み込み版を利用したカーナビの開発なども考えられると思います。

全体的にみると、Windows 7 は決して悪くはありません。そしてビギナーにとっては以前の Windows よりも確実に使いやすくなっていると思います。ただ、昔から Windows を使っていて、その扱い方に慣れている人にとっては、新しい製品ですからワクワク感はそれなりにあるものの、乗り換えるほどのメリットがあるかといわれると、悩んでしまいます。もちろん、Windows タッチや ジャンプリストなど、ハードウェアやソフトウェアの今後の対応次第という機能強化もあるので、今はそうでもない『 Windows 7 に乗り換えるメリット』ですが、徐々に増えていくことになると思います。その頃には Service Pack もリリースされて安定性も向上しているかもしれませんね。