WD My Book Duo。

WD My Book Duo。

前回投稿してからだいぶ間が開いてしまいましたが、そろそろWindows 9のプレビューなども始まりそうなので、筆慣らしがてら、先日購入したWD My Book Duoのレビューをしてみたいと思います。

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WD My Book DuoはUSB 3.0に対応した外付けHDDで2基のHDDを使ってRAIDが使えるのがポイントです。同じようにRAIDが使える製品は、BUFFALOのHD-WLU3/R1シリーズや、G-TechnologyのG-RAIDやLacieの2big quadraシリーズなどがありますが、高級品が多く仕事で使っている人を除いてあまり一般的ではないかもしれません。

どんな用途に向いているか?

RAIDについて詳しくは割愛するとして(大雑把に言えばRAID0は速度2倍・故障のリスク2倍、RAID1は速度等倍・故障リスク半分)、外付けHDDでは速度は期待できないのでRAID1がメインになると思われます。 最近ではチップセット(PCの基本機能)でRAIDをサポートしているものが多いので、自作PCや2台以上HDDを搭載できるPCを使っている場合は内蔵HDDでRAIDを作った方が速度の面でもコストの面でも有利です。

例えば今回My Book Duo 2TB×2を32000円くらいで購入しましたが、中身のHDDは9000円×2=18000円くらいで購入できます。(2014年9月現在) では、外付けHDDでRAIDを使う理由として考えられるのは

  1. ノートPCや小型PCでHDDを2台以上内蔵できない
  2. 押し入れと同じ感覚で、普段使わないデータはPC内に入れておきたくない

この2点だと思います。(1)は必然的に外付けになりますが、(2)は好みかもしれません。

ちなみに私の購入動機は(2)です。(2)はウィルスに感染してデータが流出したり、誤ってデータを削除するなどのリスクを低減するメリットもあります。(接続したときだけデータにアクセスできるため)

なお、(1)の場合はRAID対応のNASを使うという選択肢もあります。こちらは複数台のPCからアクセス・データの共有ができる、外出先からアクセスできる、離れた場所に置ける、無線LANでも接続できるなどのメリットがあり、USBタイプよりもむしろ主流のようです。

ただし、NASはネットワークに接続されて常時アクセス可能なため、セキュリティ的にはUSBなどでの接続にくらべてリスクは増大します。また、共有する必要のない個人的なデータであったり、滅多に使わないデータだったりする場合はUSBタイプの方が向いていると思います。

外付けHDDに長らくBAFFALOのHD-WIU2/R1シリーズの250GB×2モデルのHDDを2TB×2に交換したものを使っていました。型落ちで比較的安かったのですが(10000円くらいでしたでしょうか)、2TBにも問題無く対応して今でも現役で使える製品です。

しかし、搭載できるHDDは2TBの壁があるのでこれ以上大容量のものは搭載できません。最近になって使用容量が2TBに迫ってきたため新しいものを検討するに至りました。

My Book Duo

WD My Book Duoの最大の利点は、HDDメーカーでシェアNo.1のWestern Digital製である点に尽きると思います。もっとも、自作をしない方はあまり聞き慣れないかもしれません。BaffaloやIOじゃないの?と思いますよね。

実はHDDを作っているメーカーは3社しななく、Western Digitalと、Seagate、そしてToshibaです。ちなみにHitachiも見かけるかもしれませんがWestern Digitalに買収されて現在は傘下にあります。BaffaloやIOデータはこの3社からHDDを購入して自社の製品に入れて売っているのです。ちなみに、家電のBDレコーダーやHDD内蔵TVなどのHDDもすべて中身はこの3社が作ったモノです。

ですので、My Book Duoのメリットは HDDを知り尽くしたHDDメーカーがケースも作っている Western Digital製の指定HDDなら交換自由 最初に搭載されたHDDが分る BaffaloやIOデータなどのメーカーでは中身にどこのメーカーのどの製品が入っているか分りません。いや、実は箱に貼ってあるシールで見分けが付くとかいう裏技もあるのですが、基本的には分らないことになっています。

また、交換するHDDはメーカーがオプションとして売っている割高なHDDを購入する必要があります。実際にはそれ以外のHDDでも問題無く動くことが多いのですが、保証がきかなくなりますし、一見安定して動作していてもやっぱり保証外の行為なのでやや不安になります。 My Book Duoであれば、秋葉原で安く売っている自作用のHDDを選ぶことが出来ますし、後から容量の大きいものにアップグレードもできます(2台まとめて交換する必要あり)。

また、購入時には信頼性に定評のあるWestern DigitalのRedシリーズが入っているので、外付けHDDとして使っていても安心ですし、中身をアップグレードした後に流用しても安心して使うことができるものです。

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実際に使ってみたところ

前置きがものすごく長くメインに鳴ってしまいましたが、実際に使ってみたレビュー。

使い勝手

普通です。いや、まぁPCに接続して使うという部分においては良い意味で普通に使えます。USB 3.0なのでUSB 2.0の前のやつに比べて速度はかなり向上しました。

ソフトはWD DriveUtilitiesとWD Security、そしてWD SmartWareです。DriveUtilitiesでRAIDモードを設定し、Securityで暗号化を設定します。SmartWareは状態監視やスケジュールバックアップなどが行える統合ソフトですが、常駐するので最初の2つだけで良いと思います。

デザイン

前面が金属製で表面処理もされており、なかなか高級感のあるデザインです。シルバーではありますが、やや黒っぽいシルバーです。(下のMac Miniと比較すると一目瞭然) デザイン的にはMacと合うのではないでしょうか。

ちなみに、ACアダプタはものすごく使いづらいもので、大きさというよりもこの位置が大問題です。マジでこれ設計した人は延長ケーブルメーカーからワイロでも貰っているんじゃないかって思うくらいです。

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信頼性

ここにきて致命的な欠点があることが判明。My Book DuoをRAID1(ミラーリング)した状態でデータを書き込み、HDDを取り出してPCに接続して読めるかテストしたのですが未フォーマット状態と認識されて読めませんでした。 サポートにメールして確認しましたが、これはハードウェアの仕様とのことです。つまり、HDDは2台とも無事でも本体(ケース)が故障したらデータは読むことができなくなるということです。

その後サポートからケースの交換で読めるようにできるとの回答を貰ったのですが、サポートに修理に出したらとも書かれているので、単純に同じケースを買ってくれば解決というわけではないのかもしれません。

結論

信頼性がウリのRAID1対応機種でしたが、本体が壊れた場合にはデータの救出が困難になるという致命的な欠点があることが判明。今使っているBAFFALOのHD-WIU2/R1は中身のHDDをPCにつないで簡単に読み出せるので乗り換えるのを保留することにしました。

稼働部をもつHDDに比べて故障は少ないとはいえ、人が作るモノなので壊れることはあります。ちなみに、NASではQNAPがそのことに言及していて、仮に本体が壊れた場合でも同じか後継機種に載せ替えればデータを読むことができると明記されています。

ということで、WD My Book Duoの話を長々としてきて結論としては、データが大事ならQNAPのNASがオススメという結論に至りました。。。どうしてこうなった?