Intel チップセットのRAID機能でRAID5をやってみる。

Intel チップセットのRAID機能でRAID5をやってみる。

メインで使っているマシンのデータ領域に500GBのHDD2台使ってRAID1(ミラーリング)をして使っていたのですが、空き容量が心許ない状態に。新しいHDDを買うにしてもカネもかかるし、データの移し替えとか面倒だなぁ~なんて思っていました。

そんな折り、あれ、同じHDDをもう一個つけてRAID5にすれば容量2倍でウマウマじゃん?ってことに気づいてしまいました。これでデータを移動せずにRAID1→RAID5とかに出来たら最高なんだけど、さすがにないか。

RAID1からRAID5にデータを入れたまま変更

が、不可能を可能にするメーカー、それがIntelさん。追加のHDDを取付けて起動しIntel Matrix Storage Managerを開けてみたら、HDDがあるけどRAIDに組み込んじゃう?的なノリのメッセージが出ています。あんまり興奮したためスクリーンショット取り忘れました(笑)。

その後、バックグラウンドで処理が行われます。その間も通常通りHDDの中身も使えます。ちなみにこの処理結構時間がかかります。ミラーリングのリビルドと同じくらいでしょうか。

無事に100%になっても今まで通り普通にデータにもアクセスできます。というか、容量も変わっていません。あれって思ってよく見ると管理のページに『サイズの増加』というそれらしい項目が増えていました。

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『サイズの増加』を選択すると増やすよ的なダイアログがでてくるのでOKを押します。人の話をよく聞かないことに定評がある私、ダイアログに再起動してディスクの管理を見て下さいと書いてあります。完了しても反映されてなくて戸惑いました。こんなところに書いてあったんですね、これ書いていて初めて知りました(笑)。

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ちなみにこれも先ほどと同じくらい時間がかかります。完了して再起動すると無事にIntel Matrix Storage Managerの容量が増えています。そしてコンピュータの管理画面のディスクの管理でパーティションの後ろに同じ容量の領域が増えていることが確認できました。

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チップセットのRAID5 使用感

使用した感覚としては、ものすごく遅いです。一応CrystalDiskMarkの結果を貼っておきますが、データがたんまり入った状態なので参考程度にみていただければと思います。ちなみにCPU占有率はほとんど上昇せず、CPUへの影響は無視できるレベルと言えます。

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昔はハードウェアでパリティ演算を行うチップを載せたものと比べて、半分ソフトウェア処理のチップセット内蔵のRAID機能や格安RAIDカードはRAID5ではCPU使用率が高いと言われていましたが、昨今の高性能なCPUの前ではこの程度の演算では誤差のようです。

RAIDの移植

Intel チップセットのRAID機能のメリットは安くて安定しているのがウリだと思いますが、もう一つ互換性もあげられると思います。Intel チップセットで組んだRAIDは、異なるマザーボードでもIntel チップセット(世代は違ってても可)のRAID機能があればそのまま移植できます。

一般にRAIDコントローラが壊れると、同じコントローラを積んだボードを用意しないとデータが読み出せなかったりしますが、Intel チップセットのRAIDはマザーボードが壊れてしまっても別のマザーボード(Intel チップセットのRAID機能搭載)に移し替えればデータを読み出すことができるのです。

今まで、RAID0とRAID1はやったことがあるのですが、RAID5は初めてでしたが、普通に認識して使用できました。Intel Z68 → MSI P55で、マザーボードメーカーもチップセットもRAID機能の世代も違いますが問題無いようです。 すばらしいですね。

結論

Intel チップセットのRAID機能は、一般的にはオマケ的な扱いで、OFFにすると起動時間が短縮されるもの程度に扱われたりしますが、かなり便利なしろものだと思います。 今回分った RAID1→RAID5への使用しながらの変更や、別のマザーボードでも使える互換性など高価なRAIDカードに勝るとも劣らない利便性があるのではないでしょうか。

また、以前は課題だったCPU占有率の高さも、昨今のCPUの高性能化によって負荷が高いRAID5ですらほとんど影響がないと言えます。 ということで、あまり使っている人がいない、Intel チップセットのRAID機能を使って、RAID5を使ってみたレビューでした。

なお、この手の作業を行う前には必ずデータのバックアップは取っておいた方が良いと思います。HDDを弄るときはバックアップ、これ基本。99%は杞憂に終わりますが残り1%のためにぜったいやっておくことをオススメします。