その昔、デジタルカメラに感じた未来。

その昔、デジタルカメラに感じた未来。

今から20年以上前の話、私の家にデジタルカメラというものがやってきました。

私の父はカメラマンではないですが、写真に関係する仕事をしていました。なので、他の家よりも写真に触れることが多かったですし、デジタルカメラを購入するのも早かったと思います。

この新しいカメラは、私に写真の未来を感じらせるのに充分なインパクトがありました。でも、父はデジタルカメラはカメラとは別のおもちゃのようなものだと言っていました。たしかに画質は雲泥の差がありましたからね。

当時、写真は画質が全てでした。各社が高い画質を実現することにしのぎを削っていたのです。画質を追い求めることにすべてを捧げてきた人たちに、利便性が高ければ画質の面で妥協しても良いなんて、想像もできなかったことでしょう。これはiPodが登場したときに、音楽業界の人たちが考えていたことによく似ているなと思います。

ですが、実は一番未来が見えていたのは、父でも私でもなく、技術が良くわからない母でした。母は昔から動画が好きで、当時は大きくて重かった8ミリビデオのカメラを持って旅行に出かけていたくらいです。そんな母は、デジカメの動画機能に注目していました。

当時のデジカメにもなんちゃって動画機能が搭載されていました。Motion JPEGという形式で、アニメのようにJPEGをコマ送りすることで動画を録るものです。最大30秒くらいですしメモリーカードの容量も食うので、動画機能は『おまけ』というのが父や私の認識でした。

でも、母は、いずれはこんな小さなデジカメで動画が録れるようになったらいいなと話していました。私は画質もさることながら、カメラの形だと動画撮影には持ちにくいので、仮にビデオカメラがデジタル化したとしてもデジタルカメラとは別の機器になると考えていました。

今、母はデジタルカメラに動画用のシューティンググリップを付けて旅行に持って行っています。あと、iPhoneのLive Photosも有効にして、写真がちょろっと動くのが面白いと言っています。本当に良い時代になったものです。