Carot One ERNESTOLO 10th Anniversary。

Carot One ERNESTOLO 10th Anniversary。

ちょっとPCネタからは外れますが、今回はPCのオーディオ環境ということで。

一昔前にPCでオーディオのような高音質な音楽を楽しもうということで、PCオーディオなんていう言葉をよく見かけましたが、最近ではあまり聞かれなくなりましたね。

すでにPCやスマホといったガジェットで音楽を聴く人の方がメジャーになったので、PCでオーディオは当たり前になったということなのかもしれません。当時に比べればPCのオーディオ性能も格段に向上して良い音質で音楽が聴けるようになりましたし、配信やサブスクなど音楽を取り巻く環境も大きく変わりました。

私はPCで音楽を聴くとき、サウンドカード、アンプ、スピーカーを使って再生しています。PCで音楽を聴く人はアンプが内蔵されたアクティブスピーカーを使っている人が多いかと思いますが、昔ながらのオーディオで音楽を聴いている人にはアンプとスピーカーが分かれている方が馴染みのある構成だと思います。

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Creative Sound Blaster X-Fi Titanium Professional Audio

PCのオーディオ機能にはCreative Sound Blaster X-Fi Titaniumというサウンドカードを別途搭載しています。写真はノイズシールドとなるカバーを取ったものですが、当時はまだ珍しかった光る!カードだったので、今思えば最先端を行っていたのかもしれません。

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ちなみに、PCのマザーボードにはASRock X470 Taichiを使っており、オンボードでオーディオ機能があるので別にサウンドカードがなくても音楽を再生できます。とくにASRcok X470 TaichiはPurity Sound 4と名をうってオーディオ機能にも力を入れているので音質にも拘っています。

昔はオーディオ専用に作られたサウンドカードを別途搭載した方が音質が良くなると言われていましたが、最近はそれなりに設計されたオンボードのオーディオ機能であれば充分な音質を期待できると思います。それが証拠にサウンドカードもUSBオーディオも音楽再生用途の製品はほとんど見かけなくなりましたよね?

ただ、私は昔からの惰性でSound Blasterというサウンドカードを使っています。

各インターフェース世代のSound Blasterを愛用してきていますが、Sound Blaster X-Fiも10年以上前の製品なのでマザーボードに搭載された最新のオーディオ機能より優れているかは微妙です。いずれドライバが対応しなくなった時に、新しくSound Blasterを買うかは悩ましいところですね。

なお、音楽を聴くだけであればオンボードのオーディオ機能でも充分かもしれませんが、例えばレコーディングや配信をやるのであればUSBのオーディオインターフェース、ゲームをやるのであればサウンドカードの方が今でも優位なようです。

Victor SX-WD5

スピーカーはVictorのSX-WD5というウッドコーンスピーカーで、その名の通りコーン部が紙やプラスチックではなく木を使っているのが特徴で、楽器のような音色という謳い文句につられて買いました。デザインも美しく机の上に並べてあるだけで満足できる逸品です。

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私はオーディオの専門家ではないので完全な主観ですが、このスピーカーの特徴は『聴いていて心地よい』ではないかと思っています。もし、原音に忠実に再生することを高音質というならば、このスピーカーはたぶん高音質というわけではないと思います。

ウッドコーンというイメージから木の温もりを感じられる優しい音かと思いきや、どちらかというと繊細な音という方が近いように感じます。それもあってか小さな音量でも音楽を楽しめ、長時間聴いていても疲れないので、PCオーディオ用に結構向いていると思っています。

サイズ的にはPCで使うアクティブスピーカーと比べると少し大きい部類ですが、スピーカーとしてはコンパクトな方なのでディスプレイと並べてデスクトップに設置できるサイズです。ただ、ウッドコーンスピーカーは鳴らすのが難しいようで、最近ではこのモデルも含めてスピーカー単体は売られていないようです。

CarotOne ERNESTOLO 10th Anniversary

一応いままでのは長~い前置きで(笑)、このアンプが今回の本題です。

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CarotOneのなんちゃって真空管アンプです。なんちゃってというには理由があって、このアンプはプリアンプ部に真空管を使っていますが、メインアンプにはデジタルアンプを使っているので、完全な真空管アンプとは言えないからです。でもこのサイズで真空管を使っているところにロマンを感じずにはいられないでしょう?

前半の真空管の音がデジタルアンプで増幅されるので出てくる音は真空管の音だという人もいれば、後半はデジタルアンプなので出てくる音はデジタルアンプの音だという人もいて賛否両論があるようですが、まぁこのアンプから出る音が好きなんだからそれでいいじゃん、というスタンスでいいと思っています。

CarotOneというとオレンジ色のイメージがありますが、私の持っているのは10th Anniversaryモデルなのでグレーです。本当はオレンジ色が良かったのですが、『限定』に弱い日本人ですので(笑)。仕様は通常モデルとだいたい一緒ですが、真空管の周りに余計なLEDがないので本来の色にぼんやり光るのは良いですね。

真空管アンプというとボワッと真空管が光るイメージから暖かみのある音を想像しますが、思ったより普通に鳴ります。ええびっくりするほど普通です(笑)。 それよりも、これまでSONY UDA-1やONKYO INTEC 205などを使っていたので、1/5くらいの大きさで無理なくスピーカーが鳴らせている方がビックリです。

そうはいってもさすがはイタリアン仕様、わりとポンコツです(笑)。

まず、電源ONはプリアンプ→メインアンプの順、OFFはメインアンプ→プリアンプの順でないと盛大にポップノイズが出ます。あと、ギャングエラーがあって音量が小さいと左右のバランスが悪いので、入力側(PC等)のボリュームを絞ってアンプのボリュームが中央(結構大きい位置)あたりになるよう調整すると良いです。

まぁ、分解してみるとわかりますが部品単位で音質に拘った日本のオーディオとは違い、気軽に音楽を楽しむアンプという方向性なんじゃないかと思います。

この CarotOne ERNESTOLO 10th Anniversary を購入して半年もしないでグレードアップされた CarotOne ERNESTOLO 10th Anniversary EVOモデルが発売 orz。ちきしょ~!!買った直後にそういうの出すなよ、凹むだろう(笑) ということで、自分でなんとかしてみることにします。

通常モデルとEVOモデルは真空管とオペアンプが異なり、価格差が10,000円程度。つまり、10,000円の予算で2つのパーツをグレードアップしてEVOモデルを見返して(?)やろうというのが今回のテーマです。真空管もオペアンプもソケットに刺さっているので比較的容易に交換ができます。

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まず、オペアンプですが、定評のある日清紡マイクロデバイスのMUSES02をチョイスしました。オペアンプは中央のソケットに刺さっているチップで、足を折らないよう慎重に交換したらさっそく試聴してみます。余談ですが、上位っぽいMUSES03はモノラル用なので、単純に差し替えでOKとはいかないので注意が必要です。

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正直プラシーボ効果で気持ち変わるかなくらいに思っていましたが、これは想像以上に違います。私の少ないボキャブラリーでは表現が難しいですが、明らかに広がりと解像感が上がって、まるで別のアンプになったように思えました。3,500円は部品としては高価な部類ですが、コスパを考えるとオススメだと思います。

真空管は未知の領域だったので秋葉原の専門店をウロウロして店員さんに教えてもらいRCA製5814A Black Plateをチョイス。最初は半額くらいのSYLVANIA製を考えていたのですが、最終的にRCAに落ち着く人が多いということで奮発しました。交換したら横のディップスイッチを忘れずに12AU7側に動かします。

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しばらくエージングがてら聴いた感想としては、心地よく聴こえる範囲が広がったような気がしました。小さな音でもしっかりと聴こえて満足でき、大きな音にしても煩く感じないのです。先ほどのオペアンプのように劇的な変化ではありませんが、デスクトップで聴くアンプとしてとても扱いやすくなったと思います。

だいたい同じくらいの予算で自らセレクトした部品で自分だけのEVOモデルを作ることができたと考えると、最初にCarotOne ERNESTOLO 10th Anniversary無印をチョイスしておいて正解だったと思います。

なお、CarotOne ERNESTOLOにはヘッドホンジャックがあるのでヘッドホンアンプとしても使えますが、この場合はプリアンプのみ使うので純粋な真空管アンプになります。(プリアンプ部だけのFABRIZIOLOというヘッドホンアンプも売っていました。)

私は澪ホンと名高い(笑)AKGのK701というヘッドホンを愛用していますが、このAKG K701は鳴らすのに結構パワーが必要でONKYO INTEC 205だとしんどそうだったのですが(これがSONY UDA-1に買い替えた理由です)、CarotOne ERNESTOLOはこちらも問題なく鳴らすことができています。

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