主なメーカーと特徴

はじめに

グラフィックチップを生産する主なメーカーの特徴を簡単に纏めてみました。

2Dの3強

まず、ATI Matrox S3 はともに旧三大グラフィックメーカーなので、2Dの時代からの老舗ということになります。 当然、2Dに関してはnVIDIAなどに一歩リードした感じです。

2Dの画質については カナダMatrox と ATI は完全に二分するほど相反する特徴をもっていて、Matrox は、原色より少しハデ目に調整した感じでシャープでコントラストが高めに見えます。 ATI は逆に原色に近い感じで暖色系で、Macintosh の標準グラフィックを長らく作っていたこともあり、カラーマッチング(元のファイルの色と画面に表示される色との差の調節)も良いといわれています。

Matrox

Matrox は高級グラフィックカードMillenniumで2Dにおける画質を追求しました。その後、同社はとくに2D画質を求めることをコンセプトにグラフィックカードを生産していきます。相性問題が少なく安定しているのに加え、多くのOSでもサポートされているなどホビーユースよりビジネスユースを主眼としたメーカーのようです。

MatroxのMillenniumシリーズは、その独特な画質からMillennium信者とよばれる熱狂的なファンがいるほどの特徴あるカードで、シャープでコントラストの高い画質です。初代Millenniumは超高級グラフィックカードでしたが、最近では3Dはあまり使わないけど2Dを重視するユーザーやオフィス向けなど向けの手ごろな価格で確かな品質の製品に変わったようです。

また、MatroxはMillennium G400から一枚のグラフィックカードで二つのディスプレイに表示するデュアルディスプレイ機能を搭載してこれを前面に打ち出しています。今ではOSで標準の機能となりましたが、それでもやはりMillenniumシリーズの機能はOS標準のそれよりも性能は高いようです。

3Dに関してはMillenium G200で完全に遅れをとり、 つづいてリリースしたG400でも他社との差を詰めるにはいたりませんでした。G450、G550はそのマイナーアップなのでコアは同等で、さほどの性能アップは望めないのが現実です。

Matrox は次期Millennium G800をParheliaと改名してMillenniumシリーズの持っていた3Dに弱いというイメージを払拭したい考えのようです。2Dの画質に関してはコストパフォーマンスが高めとかんがえてよいでしょう。また、テレビにDVDなどを表示するデュアルディスプレイを早くから搭載していて機能性能ともにこなれてきている。 パソコンへの親和性も高いと評判です。 G800をParheliaと改名して、Millenniumシリーズの持っていた3Dに弱いというイメージを払拭したい考えのようです。2Dの画質に関してはコストパフォーマンスが高めと考えていいと思います。パソコンへの親和性も高いと評判でラインアップもシンプルで把握しやすく、チップとボードともに自社で作っているので安定性も高いと言われています。

ATI technologys

ATIはRade シリーズの後継としてリリースしたRadeonで3D機能も強化されてnVIDIA と対等に戦える最大手の一角です。最近では、すっかりnVIDIAと並ぶ最速グラフィックメーカーのイメージですが、以前は性能がそこそこのグラフィックチップを手ごろな価格で提供するメーカーとして有名で、消費者のニーズにあった戦略でシェアを得ていたのです。

Mobile Rage/Radeon でノートパソコンなどにも浸透しており、また、Rageシリーズは省電力と安定性からサーバーなどで今でも使われています。また、Macでも使われているので市場での信頼性は高く、All-in-wonder やDVD再生補完機能等のマルチメディア系が強いのも特徴です。

ただ、3Dに強いとはいえ、現在のゲームは基本的にnVIDIAのチップを使っていることを前提にプログラムされているのと、ATIのドライバのデキがイマイチなのかゲームによっては正確に表示されない場合もあるので、本当に3D重視ならばnVIDIAの方が安全でしょう。

RADEONシリーズは多数存在して、動作クロックに関してはさらに複雑で同じ製品でもリテール品とバルク品で動作クロックが違ったり、LE版やPRO版でも動作クロックが異なり多岐にわたります。簡単にいうとバルク版がリテール版と同じか少しクロックが低めで、LE版もリテール品よりもクロックが低めでPRO版はクロックが高めというのが通例のようです。

これはCPUと同じで歩留まりの関係で正規版としてのクロックでは正常動作しない歩留り品を廃棄ではなく有効活用して効率よくはけさせる目的があると思われ、nVIDIAでも同様に多くのラインナップが存在しますがATIは特に多く紛らわしいのが現状です。

カードも自社で作ってますが、外販もはじめました。自社カードの方が少し高めですが動作クロックが少し高いようなのでこちらのほうが安全性的にもいいかと。余談ですが、たしかVIAのチップセットと相性問題があるとかで、わりと相性が多めとのウワサも聞きました。

S3

S3社は、MatroxやATIと同様に2D時代は三大グラフィックメーカーとして、3Dグラフィック市場の初期にもっともシェアを伸ばしたメーカーです。残念ながら現在はグラフィック部門をVIAに売却し sonic blue と社名をかえてグラフィック部門から撤退してしまいました。現在のVIAのチップセット内臓のグラフィック機能はS3のものを使っています。

2Dも3Dも高性能でクセのない高画質を誇っていました。ハードウェアの技術は文句なくトップクラスだったのですがソフトウェア部門の技術不足で質の良いドライバーが提供できなかったのも敗因のようです。現在では過去の製品のサポートを打ち切りました。

3dfx interactive

一時期大ブームを引き起こしたメーカーです。Graidという独自のAPIを利用できるので、この対応ゲームをするならコレが良かったのですが、 会社倒産とともにこのAPIを使うゲームも今じゃほとんどありません。 nVIDIAとは対照的に画質をそこそこにとどめても快適でスムーズな投画をするカードです。 もとは、3D専用でしたがvoodoo 3Dグラフィック時代に一大ブームを巻き起こしたVoodooシリーズをリリースしたグラフィックチップメーカーです。残念ながら現在では資産をnVIDIAに売却して会社を解散してしまいました。 2D画質に関してはもともと3D専用チップから始めたメーカーで、3D重視だったのでそれほど高くはないようです。

3Dに関してはDirect3Dがまだひ弱な時代にGrideという独自のAPIを開発して、当時最速を誇るVoodooシリーズを展開しました。どちらかというと画質より快適なゲーム環境を優先したようで、画質を多少犠牲にしても快適な動作環境を提供するグラフィックチップだったようです。

nVIDIA

大手の中で、最後発にして最大手に躍り出たメーカーです。その高速で高画質な3D当画能力とコストパフォーマンスは非常に高く常にグラフィック業界をリードしてきました。とくにゲームとの互換性は非の打ち所がなく、おそらくnVIDIAの製品が動かないゲームは不良品だといえるくらいです。マイクロソフトの初代X-boxにもnVIDIAのグラフィック機能が使われていました。

3Dグラフィックの時代からの参入ですが、2Dの画質も充分によくクセのない画質です。ただし、ATIやMatroxのように一押しの良さでもありません。 また、nVIDIAはチップベンダーでカードを生産するのはサードパーティですので、カードの設計が悪いと画質が低下してしまう場合もありえます。

nVIDIAのGeforceシリーズは多数存在して同じ世代でもハイエンドからローエンド向けまで細かく分かれていてとても複雑になっています。もともとグラフィックチップは、旧製品またはそれと同じ設計品がそのままローエンド向けに移行するというパターンが一般的でした。

ところがnVIDIAは、ローエンド向けに最初から最適化した製品を投入したためにローエンド向けとハイエンド向けの両方の製品で人気を得ることができたのです。これはローエンド向けの製品は最初から機能を絞ることで旧製品を流用するより価格が低く抑えられるうえに、必要ならば最新の技術をローエンド向けの製品にも搭載することが可能などの利点があります。

nVIDIAは高性能なハイエンドモデルとコストパフォーマンスの高いローエンドモデルに支えられ大躍進することができたのです。

nVIDIAは方針として3Dグラフィックのハードウェア処理とその精度を高くすることに主眼をおいているようです。その為にATIなどに比べて精度の高い3D演算機構を内臓していて、その代わりに処理速度があまり上がらないということになってしまったようです。この高精度な処理エンジンをいかに生かすゲームが生まれるかがnVIDIAが再び王者になり上がれるかのポイントになるようです。

とはいえ、カードメーカー自身が設計することはカノープスのようなメーカーを除いてはマレで、ほとんどnVIDIAのリファレンスを元に作っています。 ドライバも同様です。つまり技術力がない無名メーカーでもカードをつくれてしまうので、かなりパーツが粗悪な製品もでまわっています。種類も豊富なのでよく自分で吟味する必要があるでしょう。このメーカーは、チップのみを作っていて、カードは各社が製造します。

要は可もなく不可もなくといった感じでしょうか?また、最近グラフィックコア内臓のチップセットnForceを発売し今度nForce2をリリースしました。 ただ、nForceは性能はいいのですが、チップセットにわざわざnVIDIA製を使うメリットがそれほどないのでグラフィックカードのように快進撃をしているわけではありません。しかし、じわじわと着実にレベルアップしているのも確かです。

また、最近グラフィックコア内臓のチップセットnForceを発売し今度nForce2をリリースしました。ただ、nForceは性能はいいのですが、チップセットにわざわざnVIDIA製を使うメリットがそれほどないのでグラフィックカードのように快進撃をしているわけではありません。しかし、じわじわと着実にレベルアップしているのも確かです。

ST Microelectronics

スイス ST Microelectronics 関しても既に潰れた会社なのでサポートは基本的にナシです。このメーカーはKYROというチップをリリースしており3Dがウリの製品でした。ただし、2Dに関してはnVIDIAよりも劣っているとのことです。 3Dに関するコストパフォーマンスが高めだったようです。

Silicon Integrated Systems

SISはチップセットの方では古くから互換チップの販売を手がけ、ワンチップ構成のチップセットを提供するなど安さをウリにローエンドを中心にシェアを広げていました。よってグラフィックも安くまぁそこそこの性能といった程度のもののようです。グラフィックを真剣に考えてる人からは相手にされないところを見るとそれほど高性能ではないのかな?

Intel

Intel の製品はi740を除いて、チップセット内臓グラフィックです。i810/i815 系と i830/i845 系の二種類あり後者の方が後継で高性能です。どれをとっても性能はそこそこで、特に後者は3D機能が強化され、程よい性能です。 ただ、2Dはそこそこですが、評価するほど高画質でもないです。メモリは基本的にはメインメモリ共有(専用のメモリも使えるが)なので低速で、3Dもゲームをバリバリやるにはちょっと非力です。 また、CPU占有率も高めになるとのことです。

内臓グラフィックコアはAGP接続ですが、AGPポートはパソコン一台に1ポートです。よって、内臓グラフィックを搭載したマシンにAGPポートが存在しカードを挿す場合、BIOSやジャンパで切り替えるわけですが、ひとつのポートに二台の機器が接続されてそれを切り替えて使うわけで、安定性に問題があるともききました。 ただし、さすがはintel 製でドライバなのどの心配もありません。 グラフィックカードを増設しなければ安定性もよいようです。