Matrox Millennium G450

はじめに

Millinnium G450は2000年に発売されたカードで、Millennium G400をベースにプロセスルールを縮小してコアクロックを上げ、メモリをよりコストパフォーマンスの良いものに変更するなど最適化したものです。価格的にこなれていて2D画質が良いということで3Dをやらないユーザーを中心に人気がありロングセラーとなりました。

グラフィックチップにはMGA-G450を使っています。

写真

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主な仕様

スペック

チップ名 MGA-G450 備考
グラフィックチップ MGA-G450
コアクロック 125MHz
メモリ種類 DDR SDRAM
/SDRAM
実際にはDDR SGRAM/SGRAMにも対応しているようだが採用した製品は存在しない。
対応メモリ速度(最大) 166MHz DDR動作で333MHz相当
メモリの最大搭載量 32MByte 16MBと32MBの製品がある。
対応スロット AGP4X/PCI
DirectXの世代 DirectX 6
OpenGLの世代 OpenGL 1.1
ハードウェア T&L ×
ピクセルシェーダ ×
バーテクスシェーダ ×
ジオメトリエンジン ×
レンダリングエンジン ×
プロセスルール 0.18
Mpeg再生支援 DVD再生支援
その他 -

特徴

Millennium G450はプロセスルールをMillennium G400の0.25μから0.18にシュリンクして、メモリをピン数を削減しコストダウンを可能とする為にMillenniumG400の128bit SDRAM/SGRAMから64bitにした代わりにDDR SDRAMに対応させて同じクロックのメモリで同じ帯域を確保しました。この他セカンダリRAMDACや液晶用のTIMDトランスミッタ等もチップに集積して部品点数を減らすことに成功しました。

Millennium G400にはSH/DHとそのクロックアップ版であるMAXという製品があり、Millennium G450ではMillenniumG400からコアそのものがあまり変わっていない上にMillennium G400 SH/DHと同じクロックのコアとメモリを採用している為にMillenniumG400 MAXよりも性能が低いようで、最適化によりMillennium G400 シリーズよりも若干画質が高いようですが、パフォーマンスを重視するパワーユーザーの支持は得られませんでした。もともとMillenniumG450はMillennium G400の高いコストを削減して細部を最適化するのが目的だったようで高速化はそれほど考えて作られたものではないようです。しかし、Millenniumシリーズ伝統の高画質でシャープな2D画質で、コストダウンのおかげでG400に比べてずっと価格が手ごろになりました。また、シュリンクしたおかげで発熱が低減してファンレスになったので静粛性に優れ耐久性も高いのも見逃せません。

3Dに関してはMillennium G400とほとんど変わらないコアを採用しているために強化されておらず、進歩が激しいこの分野ではほとんど比較にならないので3Dゲームをバリバリやろうというゲーマーの選択しにははいらないのは事実です。

複数のラインナップが存在しますが、グラフィックチップは全くおなじでメモリやコネクタ形状、付属品の有無などが異なります。最近ではテレビ出力ケーブルを省いた廉価版(性能的には同等)が人気のようです。

製品名 Millennium G450 Millennium G450 LE Millennium G450 LX Millennium G450 EX
メモリ DDR SDRAM SDRAM DDR SDRAM DDR SDRAM
TV出力ケーブル あり あり あり なし
ロープロファイル × × ×

※ラインナップによって搭載メモリが16MB版と32MB版の二つがある場合があります。

※この他に搭載メモリの差やデュアルヘッドに対応しているかどうか、Dsub15pin出力かDVI出力かの違いがあります。(Dsub15pin+Dsub15pinとDsub15pin+DVI及びDVI+DVIなどがある)

※LXは通常版よりもDDR SDRAMのクロックが低いのが違いです。

※搭載グラフィックチップは全て共通ですが、基盤デザインはPCI/AGPの違いやロープロファイル版で異なったりします。

後継のMillennium G550が機能的にあまりG450と代わり映えがしなかったためにより安価で実績のあるMillennium G450が売れ続けて、現在でもバリエーションを増やして販売されています。実際に2D重視というニーズにあった製品はこのカードぐらいしか存在せず、ビデオカードは速さだけでは決まらないことを見せ付けた製品といえるでしょう。