ATI RADEON X800

はじめに

RADEON X800 は2004年にRADEON 9800(正確にはその後継のRADEON 9800 XT)の後継として発売された第四世代のRADEONにあたるグラフィックチップです。

AGP版もありますがPCI Expressにネイティブで対応した初のグラフィックチップで、またフラグシップモデルとしてはじめて0.13μプロセスルールにより生産され高クロック化に成功した製品です。

主な特徴

スペック

チップ名 RADEON X800 XT PE 備考
グラフィックチップ RADEON X800 XT PE X800 XT無印はコアクロックが500MHzでメモリクロックが500MHz
X800 PROはコアクロックが475MHz、メモリクロックが450MHz(AGP版のみ?)
コアクロック 512MHz
対応メモリ種類 DDR SDRAM この他DDR SDRAM/SGRAM SDRAM/SGRAMにも対応しているようです。
対応メモリ速度(最大) 556MHz のDDR
メモリの最大搭載量 256MB
対応スロット PCI Express/AGP 8X/PCI
DirectXの世代 DirectX 9.0 完全対応
OpenGLの世代 OpenGL 完全対応
ハードウェア T&L × ハードウェアT&Lはバーテックスシェーダのエミュレーション
これはDirectX9.0の仕様
ピクセルシェーダ Ver.2.0 バージョンは変わらないが強化点がある。
バーテクスシェーダ Ver.2.0 バージョンは変わらないが強化点がある。
ジオメトリエンジン -
レンダリングエンジン -
プロセスルール 0.13μ 低誘電(Low-K)層間絶縁膜採用
Mpeg再生支援
その他 -

※RADEON X800 XT PEのPEはPremium Editonの略

※RADEON X800 XT/XT PEにはAGP版とCPI Express版の二種類が存在し、コア自体が開発コードネームR420とR423と異なっていますが、インターフェース以外の仕様はほとんど同じのようです。

主な特徴

RADEON X800 XT PE(PCI Express対応版)の最大の特徴はネイティブでPCI Expressに対応した点です。PCI Expressは汎用インターフェースですが、IntelはグラフィックコアとのインターフェースをAGPからPCI Expressに移行させようとしていて、このグラフィックチップはそのPCIExpressに初めて対応した製品です。実際にIntelがチップセットを作るのに動作チェックなどで協力したのがATIでその点でもATIはPCIExpressに積極的だったことがわかります。ただ、この結果その他の点で大幅な進化をしている点は少なく、RADEON 9800のPCI Express版という感は否めないものとなってしまいました。

シェーダのバージョンはバーテクスシェーダとピクセルシェーダともにVer.2.0と9800変更はありませんが、パイプラインの数がバーテクスシェーダは4本から6本へ、ピクセルシェーダは8本から16本(X800PROは12本)に強化され、SMARTSHADER HDと命名されています。

シェーダについて詳しくは『Column 06』を参照してください。

このほか、すでにRADEON 9600で採用されていた低誘電(Low-K)層間絶縁膜採用の0.13μプロセスルールですが、フラグシップモデルとしては初めて採用し、この効果もあってかRADEON9800と比べてかなりのクロックアップを実現しています。

ラインナップ

RADEON X800 XT PEと同時期に販売されていた主なRADEONシリーズ

チップ名 市場 主な特徴
RADEON X800 XT PE ハイエンド PCI Express x16に対応
RADEON X800 XT ハイエンド X800 XTのクロックを下げたもの
RADEON X800 PRO ハイエンド X800 XTのクロックをさらに下げ、ピクセルパイプラインの数を16本から12本に減らしたもの(AGP版のみ)
RADEON X600 XT ミドルエンド RADEON 9600 XTをPCI Expressに対応させメモリクロックを上げたもの(PCI Express版のみ)
RADEON X600 PRO ミドルエンド X600 XTの低クロック版(PCI Express版のみ)
RADEON X300 ローエンド RADEON 9200のプロセスルールを0.11μにシュリンクしたてPCI Expressに対応させたもの(PCI Express版のみ)
RADEON X300 SE ローエンド X300のメモリバスを64bitにしたもの(というより、RADEON 9200 SEのプロセスルールを0.11にシュリンクしてPCI Expressに対応したもの?)(PCI Express版のみ)

※RADEON X600 XT/X600 PRO/9800 XTのコア/メモリクロックの関係は、500/740、400/600、500/600となってる。

※大まかな変更点で細かい変更点はほかにもあるかもしれません。