はじめに
キーボードは一部のキーを除いてアルファーベットの文字などはどのメーカーのキーボードでもほぼ同じ配列になっています。しかしアルファーベットもめちゃくちゃな並びですから、きっとこの配列に意味があるに違いありません。人間工学的にすぐれた効果でもあるのでしょうか?
Qwert式
キーボードのアルファーベット部分を左上から読むとQ、W、E、R、Tと並んでいると思われす。これがQwertと呼ばれるゆえんです。実はこの配列はパソコンのキーボードよりさらにさかのぼったタイプライターで使われていた配列なのです。これはタイプライター打ちのパソコンへの移行をやりやすくするために同じ配列にしたものですから、タイプライターを打ったことのない私たちにはあまり意味のない配列なのです。
まてまて、タイプライターで広く採用された配列なのだからきっと意味があるに違いない…と思うかもしれません。
実はこの配列は人間のために考えられたのではなくタイプライターの物理的な制約によって生まれたものなのです。タイプライターは人間がキーを押した力でハンマーを動かしタイプします。この為高速に打つと続けてうつキーが近くにあった場合そのハンマー同士が絡まってしまうという現象が起こってしまいました。その為、続けてうつキーを近くに配列しないということを目的に並べられたのがこのQwert配列なのです。
Qwert配列は1873年にC.L.SholesとCarlos Gliddenによって開発されレミントン社のタイプライターとして世にでることになります。さらにその後100年もたった後にパソコンのキーボードとして世界中に広まることになるとは、おそらく作ったかれらも考えても見なかったでしょうね。
ちなみに、続けて打つキーを離れた位置に配置したために打ちにくくなったので、打ちにくくしてキーを押す速度を遅くするのが目的という説もあります。もしかすると両方だったのかもしれませんね。
有名な逸話としてこのタイプライターが登場したときにセールスの人が「こんな変な配列でもこんなに速く打てるんです!」といいながら打った文字が『Typewriter』。ちょっと打ってみてください。全部二列目にあるでしょう?わざと打ちやすい文字を選んだのか?それとも『Typewriter』の文字を打ちやすくするためにこの配列にしたのか?真実は開発者のみぞ知る…。
Qwert配列 | |||||||||
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Dvorak
タイプライターの性能は向上して高速に打ってもハンマーが絡まなくなりました。
1930年、August Dvorak博士はタイプライターの物理的な理由から配列されているQwert配列ではなくて打ちやすさを目的に配列を考えました。これがDvorak配列またDSK=DvorakSimplified Keyboardです。しかし、効率よりも伝統が勝利したようでいまではほとんど見かけません。
Dvorak配列 | |||||||||
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Qwertの謎
Dvorak以外にも人間の入力効率などを考えて作られた配列は数多くあったようですがどれも普及しないまま消えていきました。なぜかQwert配列はパソコンではどうでもよい理由からできた配列なのですが、後から登場する配列をことごとく駆逐し今でも標準の地位にいるのです。