はじめに
このページではメモリモジュール上のチップやパーツ等の名前と役割についてお話します。
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名称と役割
1.メモリチップ
メモリチップです。メモリモジュールはこのメモリチップの集合体です。DIMMには通常片面に8枚(ECCを含めて9枚)で両面に16枚(ECCを含めて18枚)となりメモリモジュールの容量が決まります。メモリの性能や機能はこのメモリチップによって決まるので、詳細が不明なメモリモジュールでもメモリチップに書かれている情報などでそのメモリがどのようなものか調べることが可能です。
ちなみに、玄人はノーブランド品のメモリでも「~製のメモリチップを搭載したメモリください」みたいな購入のしかたをしたりします。なお、性能はこのメモリチップによって決まりますが基盤設計やメモリチップ以外の搭載品が粗悪だと安定性の面で影響がでてきます。
2.SPD
そのメモリモジュールの情報を格納しているROMで、SPDとよばれます。しかし、粗悪品の場合はSPDの情報が間違っていたりすることがあるのでBIOSなどではこのSPDの情報を無効にして手動設定する項目などがあります。
3.コネクタ部分
ウラとオモテ(どちらがウラかオモテかという決まりはない)に異なる信号線がきているのがDIMMで同じ信号線が来ているのがSIMMです。コネクタ部分はサビたりすると接触不良になるので取り扱いでは手油がつかないように気をつけましょう。また、接触不良が原因のトラブルも少なくないので、トラブルの際には一度抜き差ししてみるなどのチェックも効果的です。
4.切り込み
SDRAMもDDR SDRAMも刺し込む方向を間違えないように切り込みが入っていて逆に刺せないようになっています。ただし、間違えた方向でもぱっと見ると刺さっているように見える程度は刺さるのでしっかり最後まで刺し込めているかどうか確認してからでないと思わぬトラブルに発展しかねないので注意しましょう。
5.チップコンデンサ、チップ抵抗
粗悪品などでは真っ先にケチられるものですが安定性には必要不可欠なパーツです。この辺を見極められるかどうかで格安のノーブランド品でもある程度アタリとハズレを見分けることができるようになる。。。そうです。
6.ECC用の空きパターン
ECCとは耐エラー方式で8bitにつき1bit追加して合計を偶数(又は奇数、どちらでも統一されていればOK)になるようにすることで、一つまでのエラーならば発見することができるものです。ただし、1つ以上のエラーがあると偶数個では区別できない点と、エラーがあったことは発見できてもエラーが発生している箇所を特定することはできません。
サーバーなどエラーがでてハングアップすることが許されないマシンなどでECC機能を搭載したメモリが利用されます。8bitで1bitの追加情報なので、一般的には8枚のメモリチップに1枚のメモリチップを追加することでECC機能をもたせます。
メモリーモジュールメーカーではECC用のメモリと通常のメモリの基盤を共通化することでコストダウンを図る傾向にあり、このため通常のメモリーモジュールにも基盤上(中心に)ECC用のメモリチップの空きパターンがが残されている場合があります。
実はこのタイプではECC用のメモリと基盤を共通にしているワケで高品質な傾向があるといえるでしょう。(ECCのメモリはサーバーなど品質を重視する用途に使われるのでECC用のメモリ基盤設計は高品質であるあ→同じ基盤なら高品質な基盤)