『LANとルータ』

はじめに

最近ではブロードバンドが普及してルーターを使う家庭が増えてきましたが、ルーターの実体を知っている方は少ないようです。ここではルーターとはなんぞや?について考えてみます。

LANとルータ

ADSLでInternetをするときADSLから先は世界規模のネットワークなワケでWideArea Networkと呼ばれます。これに対して企業内だけとか学内だけとか世界規模ではない地域に限られるネットワークをLAN=LocalArea Networkと呼びます。

さて、ADSLモデムは周辺機器の一種ですからパソコンとはシリアルケーブルやUSBなどで接続すればいいのですが、最近では家庭に複数のパソコンがあったりすることも希ではなくなり、これらのパソコンでInternetをするときに一台に一基づつADSLモデムを用意したりいちいちADSLモデムを繋ぎかえたりするのは面倒です。そこで複数台のパソコンをLANで繋いで家庭内のネットワークを構築して、そのうちの一台をADSLモデムに接続することでそのADSLモデムを接続したパソコンを介して家庭内ネットワーク上のすべてのパソコンがInternetに接続するという方法が効率的ということになりました。

このADSLを接続したパソコンはWAN(Internet)とLANという二つの異なるネットワークに所属していることになります。このように複数のネットワークに接続することができる機能をWindows98SE以降のWindowsはOSの標準機能でサポートしています(つまりがそれ以前のWindowsでは標準ではサポートされていなかった)。しかしこの場合、ネットワーク上のどのパソコンがインターネットに接続する場合でもADSLの接続されたパソコンが稼動している必要があり、また多少設定が複雑になるなどの欠点があります。

そこでこの『複数のネットワーク接続するのに必要な機能だけ』を持たせた簡単なパソコンをルータと呼び、単純にネットワーク機器の一つとして扱います。ルータは見た目は単なる周辺機器ですが中身は小さなパソコンです。

ルータの中でもADSLモデムを内臓したタイプが俗に言うブロードバンドルータで、これを家庭内LANと電話線に繋ぐことでLAN上のパソコンからこのブロードバンドルータを介してInternetに接続できるのです。

ADSLモデムを周辺機器とした場合はパソコンのOSや環境に依存しやすい上にパソコンが一台しかない場合に限られてしまいます。しかしブロードバンドルータならばパソコンとADSLモデムのセットなので家庭にあるパソコンがマックであれPC98や業務用コンピュータとUNIXであれLANさえ構築できれば利用できるという手軽さからたとえパソコンが一台しかない家庭でもブロードバンドルータが多く販売・レンタルされているのです。このため『ブロードバンドルータと呼ばれ機械とパソコンを単にケーブルで繋いだだけでLANなんか知らないよ』ということがよく起こるというワケです。まぁそのケーブルがLANというワケです。