BD-REって何?

はじめに

ここでは、次世代光ディスクとして将来が明るそうな Blu-ray Disc(BD)、その中でもリライタブル規格の"BD-RE"について考えてみることにします。

光ディスクの種類

ご存じのように、次世代光ディスクはBlu-ray DiscとHD DVDで分かれてフォーマット戦争をはじめて久しいですが、どうやらBlu-rayDiscに軍配がくだりそうな雰囲気です。まぁ、自分はSONYをこよなく愛する人間なので最初からBlu-ray Disc以外眼中にありませんでしたが。忠誠を誓ったゲイツ様はHD-DVDを推進していますが、ここはハードウェアメーカーのSONYの方が優先ということで。

さて、CDには読み出し専用の『CD-ROM』、書き込みの『CD-R』、書き換え可能な『CD-RW』があります。DVDには+と-の規格がありますが、あれは似たようなものなので無視するとして、『DVD-R』と『DVD-RW』、そして『DVD-RAM』があります。

この毛色の違う『DVD-RAM』はフロッピー(今の人ならUSBメモリといった方が分かりやすいかも)のような扱いで、データの読み書きができることが特長です。対する、DVD-RやDVD-RWは専用のライティングソフトを使って一気に書き込むというスタイルが基本です。

ここで、今回のお題である『BD-RE』。『RE』です。ってかREってなんだよ、RWかRAMのどっちかにしてくれよ、と思ってしまいます。しかも語源は、CD/DVD-RWと同じRewritableから来ているそうです。。。ますます意味がわかりません。まぁ、ソニーお得意の「仕様」です(笑)。

つまるところ、語源がCD/DVD-RWと同じRewritableなので、BD-REはDVD-RWの大容量版ということになります。DVD-RAMを愛用している私としてはBD-RAMの登場が望まれますが、そんなものはなさそうです。というのも、BD-REがRAMも包括するからです。

ディスクの規格と性質

光ディスクの性質は物理的な性質とと論理的な性質の両方によって決まります。

光ディスクの性質

CD/DVD/-R 1回だけ書き込み可能。
通常はライティングソフトでまとめて一度に書き込む。
未使用領域を使い、追記や(見かけ上の)消去が可能。
消去しても見えなくしているだけなので空き容量が増えるわけではない。
CD/DVD-RW 書き換え可能だが一部だけ消去は原則できず初期化(全部消去)となる。
『CD/DVD-Rの初期化して再利用可能版』と考えるとイメージしやすい。
DVD-RAM/FD HDDと同じ感覚で読み書きが可能。
一部だけの消去も可能で、消去した分だけ空き容量も増加する。
書き込みはエクスプローラから、その都度すぐに行われる。

物理的な性質と論理的な性質

たとえば、CD/DVD-Rが一度しか書き込めないのは物理的な性質によるものです。CD/DVD-Rに書き込むことを『焼く』といいますが、言ってみれば色素をレーザーで焦がして変色させることによって記録しているので一度変化したら元に戻すことはできないのです。

Audio CDとCD-ROMに互換性がないのは、これは論理的な性質によるものです。ですから同じCD-Rのメディアでも、Audio CDとして作成するとプレーヤーでは再生できますが、HDDにデータをコピーできないという制限が生まれます(リッピングという作業が必要)。これはフォーマットが違うからです。

DVD-RWとDVD-RAMは書き換え回数こそ異なりますが、ともに書き換えが可能なディスクです。つまり、USBメモリのような扱いでデータの読み書きができるという性質は、論理的な違い(フォーマットの違い)によるところが大きいのです。

ですから、CD-RWやDVD-RWでも『パケットライト』という種類のソフトを使うことで、DVD-RAMのように扱うことができるようになります。これは本来DVD-RWで使うフォーマットではない、『USBメモリのようにデータの読み書きができるフォーマット』でデータを扱うことで実現しているのです。

じゃぁ、DVD-RWもDVD-RAMも変わらないじゃん、と思うかもしれません。しかし、本来DVD-RWで使うべきフォーマット以外のフォーマットでデータを扱っているということは、DVD-RWに物理的に対応していても、論理的に対応(その特殊なフォーマットに対応)していなければデータを読むことができないということです。

最近ではだいぶ改善されていますが、基本的にはパケットライトソフトで書き込んだデータは、同じパケットライトというソフトがインストールされているパソコンでないと読めません。

※実際には、DVD-RWの本来のフォーマットではないものの、UDFなど広く使われているフォーマットを使うことで他のパソコンでも読むことは可能ということが多いようです。

つまり、DVD-RWとDVD-RAMの二つの規格が存在したのは、CD-RWのDVD版や家電のレコーダーによる録画用(細かく読み書きはしない)のDVD-RW、パソコンなどのデータを読み書きするためのDVD-RAMというように用途に応じて二つ規格化されたからというわけです。

※実はDVD+RWは元々DVD-RAMの対抗規格として提唱された規格で、この事からもRWとRAMの違いはそれほど大きくないことがわかります。

Windows Vistaはパケットライトに標準対応

余談ですが最新のWindowsであるVistaは、このパケットライトの機能を標準で搭載しています。

スクリーンショット

CD-RWやDVD-RWのブランクディスクを入れると、このような画面になってフォーマットを始めます。(結構時間かかる)

スクリーンショット

そして、DVD-RAMと同じようにUSBメモリのようにデータの読み書きをすることができます。パケットライトディスクは相手にインストールされていないと読めないのので困りますが、OSが対応してくれればその心配もだいぶ解消されます(相手がVistaなら大丈夫ということになる)。

さらに、UDFという広く使われたフォーマットを使っているのでWindows XPやWindows 2000などでも読むことはできます。あまり大々的に宣伝されていませんが、とても便利な機能だと思います。

※フォーマット時にUDFのバージョンが選択できますが、新しいバージョンにすると対応するOSが減るので注意。

スクリーンショット

で結局、BD-REって何?

さて、前置きが長くなりましたが、BD-REでしたね。

つまり、最初からパソコンでもレコーダーでも利用できるフォーマットを採用すれば良いワケです。なんでDVD-RWの時にそうしなかったのか詳しい経緯はわかりませんが、技術的というよりPCやレコーダーのスペック的に難しかったのかもしれません。

BD-RE(現在一般的な ver2.0以降)の採用したUDF v2.5は、一括書き込みでBD-ROMとフォーマット的に互換性の高い『マスタ方式』と、USBメモリのように読み書きができる『ライブファイルシステム』のどちらかを選ぶことができ、どちらもBD-REに対応しているのであれば読み書きができるということになったようです。ですから、BD-REはDVD-RWの後継でありながら、DVD-RAMのように使うこともできるということです。

※実際にはDVD-RAMはデータ用に特化したことで信頼性を向上させるいくつかの技術が使われているので、完全に取って代わられるわけではないようですが。

まぁ、ここまでダラダラ書いていてなんですが、実はBlu-rayドライブ持っていなかったりします。
いいなぁ、ほしぃなぁ。。。