各メディアの特徴

はじめに

リムーバブルディスクには現在一般的に使われているものでもいくつかの種類があり、それぞれ方式によって特徴があり利点や欠点などがあります。ここでは、現在利用されている主要なメディアのうち書き込み可能なものの特徴を簡単に纏めました。

FD

利点

FDは一般にパソコンと呼ばれているPC/AT互換機の基本機能の一つとして提供されています。その為、古いパソコンやDOSなどの低レベルなOSなどあらゆる状況でも確実に使うことができるメディアです。

また、一昔前のパソコンであればどのパソコンにも必ずドライブが搭載されていて、データ交換には最適で確実なメディアとして広く使われていました(USBメモリなどはドライブが不要だが、USBが搭載されたのは1997頃からでOSも基本的にWindows 98以降なのでそれ以前のパソコンではUSBを使ったのもは利用できない)。

ドライブ・メディアともに非常に安価に売られて、WindowsなどでもHDDと同様に扱うことができ、非常に使いやすいメディアです。

欠点

容量が一般的なものでは1.44MB止まりで、画像や音楽データは言うに及ばずで、最近では文章データすら入らないずメディアとしては致命的になりました。

また、保存性が悪く特に磁気に弱く使用回数にしたがって劣化するのも欠点で大切なデータが読み出せなくなることもしばしばありました。

以上のことが欠点となり利用頻度が激減し、現在ではノートパソコンを中心に搭載されないパソコンが増えてきました。OSのインストールなどもCD-ROMだけで可能になりFDはすでに過去のモノになりつつあるのが実情です。

CD-R

利点

CDはCD-ROMとして古くから使われてきたメディアで、ノートパソコンを除いてほとんどのパソコンにドライブが搭載されています。この為、データ交換には確実なメディアと言えます。

CD-Rは、再生時に一般的なCDドライブで再生することができるのが最大の利点で、特に音楽プレーヤーでも再生できるのも特徴です。

容量が充分に大きく、かつメディアの価格が安いのも利点です。

欠点

CD-Rは1度しか書き込むことができず、書き込み操作もFDやHDDとはことなり専用のソフトを使ったりする必要があります。

以前は書き込みは連続して行う必要があり何らかの問題でデータの転送が間に合わなくなると書き込みに失敗するため書き込み動作中にパソコンに負荷をかけられないという欠点もありました(最近のものはすでに解消済み)。

CD-Rは原理的に保存性が低く、直射日光などにあてると数日で読み込めなくなることもあると言われている。さらにあまりに熾烈な価格競争で粗悪品も多く出回わったため、その傾向は顕著と言われています。

CD-RW

利点

CD-Rは1度しか書き込むことができませんが、CD-RWは1000回程度の書き換えが可能です。

フロッピーに入りきらないデータの交換や一時的なデータのバックアップなどに利用されていました。

欠点

CD-RWは書き換えが可能ですが、一般的な書き換えとは異なり消去操作を行う必要があります。

ドライブもCD-RWに対応したものでなければ読むこともできません。

特に大容量のHDDドライブやフラッシュメモリが普及したため、対応ドライブでしか読み込めないCD-RWはあまり使われなくなってしまったようです。

DVD-R/DVD+R

利点

DVDはCDと同じ大きさのメディアな為、CD/DVD両対応のドライブが比較的簡単に作れることから最近のパソコンではほとんどがDVD再生機能が搭載されています。

DVD-R/DVD+Rは、再生時に一般的なDVDドライブで再生することができるのが最大の利点で、特に一般のDVDプレーヤーでも再生できるのも特徴です。

容量がリムーバブルディスクの中では随一で、かつメディアの価格が安いのも利点です。

欠点

DVDのライトワンス規格は規格策定作業に失敗してしまい、ほとんど同じ性能のDVD-RとDVD+Rという二つの規格ができてしまい消費者の混乱とコストダウンの妨げになってしまいました。

DVD-R/DVD+Rは1度しか書き込むことができず、書き込み操作もFDやHDDとはことなり専用のソフトを使ったりする必要があります。

DVD-R/DVD+RはCD-Rと同様に保存性が低く、容量が大きい分その被害のほども甚大となります。また粗悪品も出回りはじめておりメディア選びにも細心の注意が必要となります。

DVD-RW/DVD+RW

利点

DVD-R/DVD+Rは1度しか書き込むことができませんが、DVD-RW/DVD+RWは1000回程度の書き換えが可能です。

DVD-RW/DVD+RWはDVDレコーダーでも利用可能なものが多く、ビデオの録画用編集用としても広く使われています。

欠点

DVD-R/DVD+Rと同様に規格策定に失敗して二つの規格が平行線となってしまいました。

DVD-RW/DVD+RWは1000回の書き換えが可能ですが、一般的な書き換えとは異なり消去操作を行う必要があり、ドライブもDVD-RW/DVD+RWに対応したものでなければ読むこともできません。

DVDにはDVD-RAMというより扱いやすいメディアがあるためか、DVD-RW/DVD+RWはメディアの種類も数も少なく価格も非常に割高です。

DVD-RAM

利点

DVD-RAMはFDやHDDなどと同様な操作で扱うことができ、DVD-RW/DVD+RWのように消去操作も必要有りません。このようなリムーバブルディスクのうち片面で4.7GB、両面に至っては9.4GBという大容量なため動画などの大きなデータの保存には最適です。

データの記録方式やフォーマットなどが他のCDやDVDとは異なるため信頼性が高く、特にカートリッジ式のものは物理的なキズやホコリにも強いのも特徴です。書き換え可能回数もDVD-RW/DVD+RWの1000回の100倍にあたる10万回程度と言われていて高い耐久性があります。

カートリッジ式とカートリッジなしがあり、特にカートリッジなしはさすがにDVD-Rとまではいきませんが、DVD-RW/DVD+RWよりも安価な場合が多いようです。

現在ではカートリッジつきでも中身のディスクを取り出して使うことができるようになり、一般のDVDプレーヤーでもDVD-RAMの再生に対応した機種があるので、読み込み書き込み共に専用ドライブが必要なMOなどのメディアに比べて有利になります。

DVDレコーダ-の中にはDVD-RAMに対応したものもあり、映像データの保存ようとしてビデオのように利用することもできます。

欠点

DVD-RAMはDVDの一員ですが、高い信頼性と操作性の為に構造が他のDVDとかなり異なるのでDVD-RAMに対応していないドライブが多く、カートリッジ式に至っては形状も異なる必要があるのでかなり限られます。

DVD-RAMは大容量のデータを扱うにしては動作速度が遅く、最近ではHDDの容量が飛躍的に向上し、容量単価が破格的に下がったために動画などの保存対象はHDDに移りつつあるようです。

MO

利点

MOは他のメディアに比べて非常に高い耐久性と保存性を持ち、大切なデータを保存するのに適しています(現在登場予定の新メディアでもMOに勝る耐久性と保存性を持つものは未だにない)

比較的古くからありWindowsを含めた各OSでFDやHDDと同じように扱うことができ使い勝手が良いのも利点です。フォーマットとしてFATやNTFSなどが利用でき、アクセス権の設定などもできます。

メディアはFDと同じ面積で厚みは2倍程度で、容量もCD-Rよりも大きいものもありコンパクトと言えます。

高い上位互換性があり、一般に対応している世代よりも前の世代のメディアならば読み書きが可能です。

欠点

必ず専用ドライブが必要なのでデータ交換の際には相手側もドライブを持っている必要があります。また、ドライブもメディアもFDDやCDに比べると高めです。

特にDVD-RAMと比べてしまうと容量が小さく、信頼性や使い勝手もDVD-RAMに対して大きくアドバンテージをつけることができず、読み込み書き込み共に専用ドライブが必要なのが欠点と言えます。