VAIO SRX SRX3Eを分解

はじめに

分解…。この何事に向けてもあくなき探究心は『男の子』に分類される人間の多くが好んで行う普遍的なものだと思います。自分の持っているパソコンならなおさら中身がどうなっているのか知ってみたいと思いものです。(え、そう思わない?まぁそう言わずに。)

なお、分解はメーカーの保証外の行為で、故障した際にメーカー修理等もしてもらえなくなる可能性が高いのでやるとしても自己責任でお願いします!

分解分解

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分解前のSRXです。失敗して再起不能になるかもしれないので一応。

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ディスプレイの横にディスプレイを閉じた時に保護するゴムがあるのですが、それを外すとネジが見えてディスプレイの部分が開けられます。ゴム足やシールなどの下にネジを隠すのは定石ですね。
左側に見えるのがちまたで騒音が出る不良品がよくあると騒がれている電圧制御用のインバータです。

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HDDを取り外した後、他のネジを外して蓋を開けます。フタの部分。本来だとネジを外すとキーボードが外れてそこからメモリの交換ができるようになっていたようです。知らなかったのでキーボードを含めて全部外しちゃいました。(ふたの部分)

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メモリースティックドライブ部。ふたの方に搭載されていました。小さいものなのですね。

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キーボードです。キーボードはSony Styleで英語版と交換できるので簡単に交換できるように取り外しが楽でした。掃除も念入りにできるというワケです。

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ポインティングデバイスの部分です。いつも見ている形状から本体も楕円形のものを想像していましたが意外にも中身は四角い普通の形をしていました。ちなみにこれは分解しなくても周りの枠は外せるようでした。本気で掃除するなら外してからやってもいいかもしれません。10箇所くらいツメがあったような気がしますけど。

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外した下の方です。こちらのほうにはマザーボードとそのほかのデバイスがところ狭しと並んでいます。右下の穴はHDDのスペースです。(基盤全体図)

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これがCPUです。低電圧版モバイルCeleronプロセッサーです。基盤にじかにくっ付いているので交換はできないみたいです。この部分は普段使用中には熱くなったりしないので意外にもCPUはそれほど熱くならないのかもしれません。

ちなみに基盤全体図の上の中央右よりの部分です。左側にある金属製の物体が冷却装置で、モバイルパソコンの場合はCPUの真上にファンをつけるような構造は厚さの関係でむりなのでこのような構造をしているのでしょう。

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これはチップセットです。SonyがIntelに特注して作らせたという代物。S-Specは『SL4MP』でIntelのデータシートによるとA1ステッピングのもので通常の815EMと変わりませんでした。

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MicroDIMMソケットとMicroDIMMモジュール。SRX3Eにははじめからモジュールがついているので空きソケットはありません。増設するにははじめから刺さっているこのモジュールを外さなければならないのでとても損した気分です。オンボードメモリを増やして欲しかった…。

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モジュールはMicron Technologyの純正モジュールでした。PC100 CL2/PC133 CL3のものです。高級品ですねぇ。

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無線LANモジュールです。LUCENT TECHNOLOGYと書かれているのでLUCENT TECHNOLOGY製なのは分かるのですが、実は既にこのモジュールを含むOrinocoという無線LAN機器のブランドをProximに売却してしまっているので、ドライバなどはそこからダウンロードすることになります。

よく見るとソケットに刺さっています。これ、MiniPCIと呼ばれるPCIスロットです。一応汎用スロットなので別の無線LANモジュールやオーディオデバイスからSCSIまで、モジュールさえあれば搭載可能ということになります。もちろん理論的にはという話で実際には大きさやインターフェース部などの関係で何でもOKではないでしょうが、無線LANを将来より高速規格に対応したものに交換するというのは現実的な話のようです。

ちなみにMiniとはいえPCI接続のハズなのですが、OSから見る限り2つあるCard Busのうち『Texas Instruments PCI-1410 CardBus controller』方に接続されているとなっていました。謎です。そもそもSRX3EにはCard Busスロットは1つしかないですし。

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これたぶんモデムだと思われます。モジュラージャックにケーブルが延びていました。カナダ製だったんですねぇ。

感想

これで一通りざっと見回しました。基盤を取り外して裏面を見てみたかったんですが、たぶん二度と元に戻せなると思うのでやめときました。感想としては結構いいパーツ使ってるなっていう感じです。ここに乗せていないチップ類もちゃんとしたメーカーのモノを使っていました。ちょっとばかりですが、このモバイルパソコンの信頼度が上がったような気がします。

基盤の中には使われていないコネクタとかBluetooth分を差し引いてもいくつかありました。いったい何に使うのでしょうか?

2010/02/12 追記

メイン基板を交換することになったので、裏面も覗いてみました。

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主にサウスブリッジ(最近では使われなくなった用語?)とPC Cardスロットがメインで、あとはオーディオ用のYAMAHAのチップなどが搭載されていました。

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裏面の主なチップはサウスブリッジだと思いますが、その上に乗っている物体、一見サウスブリッジ用の温度センサーかと思ったのですが、これBIOS保持用のボタン電池でした。面積を節約するためにこのような構造になっているようです。

実に購入してから8年ぶりに裏面まで見ることになったのですが、8年という年月を感じさせない整然と設計された基盤にうっとりです(機械フェチw)。余談ですが、SRX3シリーズとSRX7シリーズですが、実際に分解して比較してもほとんど同じことが分かりました。なにせ、メイン基板だけ交換して使えるくらいですから。