α7 S with CarlZeiss Planar 50mm F1.4

はじめに

CarlZeiss Planar 50mm F1.4は、カールツァイスが設計して日本のヤシカ(現京セラ)が製造したもので、レンズにも『Made in Japan』って書かれています。とはいえ、品質の高さには定評があり、少なくとも日本では代表的なカールツァイスブランドのレンズの一つだと思います。

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CarlZeiss Planar 50mm F1.4

カールツァイスは1971年にカメラ製造から撤退したあとヤシカ(現京セラ)と提携、ヤシカはカールツァイスが作っていたコンタックスのブランドを引き継ぎ一眼レフカメラの製造を開始しました。このカメラ向けの標準レンズの一つがPlanar 50mm F1.4です。1975年発売でカールツァイスの特長ともいうべきT*コーティングも施されています。

実は現在でもコシナが基本設計を引き継いだ同じスペックのレンズを製造して販売しています。そのデザインに憧れて、保護フィルターの枠を銀色にしています(笑)。なお、SONYも同じスペックのレンズを発売していますが、こちらはレンズ構成がだいぶ異なるようです。

ヤシカ・コンタックスのPlanar 50mm F1.4はロングセラーでいくつかのタイプがありますが大きく分けると、初期型の『AEタイプ』と、プログラムAEなどに対応した『MMタイプ』に分けられます。なんで対応してない方がAEなのかは謎ですが、マウントアダプタを介して使う場合はどのみちマニュアルしか使わないので価格が安めのAEの方を選びました。

ちなみに、ウワサによると製造時期がもっとも古いシリアルナンバー先頭2桁が58~から始まるやつの中に、極めて綺麗に写るアタリのタマがあるんだとか。まぁそれだけ値段も高くなるので私が購入したのは普通の60~のタイプで、初期の構造の終わり頃の製品のようです。1970年代後半くらいのものと思われます。

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このレンズはコンタックスヤシカマウントで、私はKernel社製の格安マウントアダプタを使用しています。お値段3000円と国産の高級マウントアダプタよりもケタが一つ少ないですが、作りも悪くないですしフランジバックの精度も問題無いようです。

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写りの印象

設計が新しいこともあり、開放から最新のレンズと比べても遜色ないシャープでコントラストの高い写真が撮れてしまいます。ただ逆光については、最新のレンズに比べると少し弱いようです。

開放F1.4のレンズを初めて手にしたので、つい嬉しくなって開放でばっかり使っているのが作例を見ていただければ分かると思います(笑)。 もう少し淡い感じのボケが好みなのですが、これくらいボケると無理のない構図でボケを取り入れた絵が撮れるので便利だと思います。

周辺は拡大すると若干の解像度の低下が見受けらるものの、写真として全体を見た場合は細部まで繊細に仕上がっている印象です。標準レンズということもあり周辺光量落ち(ヴィネッティング)は感じられないません。

コシナから同じ基本設計のレンズが現在も発売されていることから、このレンズの基本設計の優秀さが分かりますが、逆にオールドレンズとしては現代的すぎて面白くないかもしれません。AFは使えませんが、カールツァイス自身の手による設計で且つ価格も手ごろなので、実用的な単焦点レンズとしてもオススメだと思います。

α7 S + Planar 50mm F1.4 ISO50 F1.4 1/640 Vivid

作例

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