FinePix Z800EXRのあれこれ

はじめに

私が愛用しているFinePix Z800EXRについて、その特徴を『デザイン』、『絵づくり』、『タッチ操作』、『イメージセンサ』に分けてお話ししましたが、今回はそれ以外の細かい部分をお話ししようと思います。

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起動時間

けっこう各所で言われていて、現行機種でも同様の傾向があるようなのですが、はっきり言って相当遅いです。たぶん、FinePix Z2よりも遅くなったと思います。手元の時計で計ったところ4~5秒くらいかかっていました。

ちなみに、仮に120km/hの電車の写真をとろうとカメラの電源をいれたら、写真が撮れるようになるまでに電車は160m(8両分)も移動しています(笑)。これでシャッターチャンスを逃したこともしばしばですから是非とも改善してほしいと思います。

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バッテリー

バッテリーはNP45Aで700mAhでカタログスペックでは170枚となっています。実際に使っている感覚としては気軽に使っても1日は持ちますが、私は念のため予備バッテリーを持ち歩いています(交互に使うことでバッテリーの寿命も長持ちしますし)。

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ちなみに、FinePix Z シリーズは以前から低温に弱いようで、とくに氷点下での撮影の場合は暖めていないとフル充電でもバッテリー切れとなって撮影できなくなります(暖かくなれば元に戻る)。

これはリチウムイオン電池の温度特性(低温に弱い)に由来するのでFinePix Z シリーズに限ったことではないハズですが、一緒に持ち歩いていたLUMIX G1(同じくリチウムイオン電池を使用)は問題無く撮影できていたので、薄くて芯まで冷えそうな筐体が原因か、小型で出力が小さい電池が原因かわかりませんが、FinePix Z800EXR での寒冷地撮影は特に気をつけた方がいいと思います。

ところでこのバッテリーなんですが、間違って左右反対にも入りそうなのです。しかも左右対称に+と-の端子があるので、とても危険そうです(怖くて試したことない)。

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(左)左右対称のバッテリー入れの部分、(右)バッテリーの向きの説明

仲間(理系技術屋)で集まったときにその話をしたら、そこにいた全員が「まさかそんなハズはないだろ」と言いながら、皆それぞれバッテリー部分をのぞき込んであれこれ見ては「おかしいだろコレ」と首をかしげてました。私も首をかしげています。さすがに電気的には安全装置があるのだと思いますが、そもそも間違った向きに物理的に入らないように設計する(こういう設計思想をフールプルーフという)のが基本だと思います。

充電器

FinePix Z2では充電器がついておらずクレードルで充電だったので旅行にもっていくのも一苦労でした。その点、FinePix Z800EXR はコンパクトな充電器が附属していたのでとても助かりました。とくにLUMIX G、Pentax Q、ともにケーブルが附属するタイプの充電器だったので、差し込み口が折りたためるFinePix Z800EXR の充電器は高ポイントです。

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後継のFinePix Z900EXR では充電器がイマイチになったと口コミで書かれていたのでラッキーでした。入力電圧が240Vまで使えるワールドワイドなタイプですから海外旅行でも安心ですね。購入時にはこういう付属品までチェックがいかないものなので、そういうところも気配りができているのは評価できます(後継機種で悪くなったのであれば、考え直してほしいところです)。

最近では携帯電話はすでに必需品で、旅行にも必ず充電器を持って行っていると思うので、スマホの充電器(microUSB)コネクタを本体に設けて充電できるようにしたら持ち物が減って良いかもしれません(今のうちに特許とっておくかw)。ただ、両方同時に充電できないという欠点もありますが。

タテヨコ判別機能

FinePix Z800EXR は縦横の向きを判別するセンサーが搭載されていて、写真もそれに合わせて記録されます。ですから、縦にして撮った写真はパソコンのビューワーで見ても最初から縦表示になっています。

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これ地味ですが、手動で一枚一枚回転させるのはかなりメンドウなので、すごく便利な機能だと思います。最新の『Pentax Q』も搭載していないので、最近のカメラなら当たり前という機能ではありません。

リサイズ

さきほどリサイズについて触れましたが、FinePix Z5fd からブログ向け機能としてリサイズ・トリミングの機能が搭載されました。もちろん、後からパソコンでやれば済むことですが旅行先などから帰るとまず忘れて放置がほとんどなのでその場でできるのはとても便利です。なお、赤外線で携帯に送ってブログにアップなどする場合にも重宝します。

私は旅先でメモ代わりに場所名や説明書きなどを写真に撮っていたのですが、画質は低くて良いので撮影サイズを落として撮るのですが、そのまま戻すのを忘れてしばらく旅を続けていて涙目という経験が何度もあります。このリサイズを使えば撮影サイズを変えずに済むので安心なのです。

ただ、大きな問題があるのはリサイズ・トリミングの編集結果は現在の写真の最後に作られます。これはデジカメのファイル名の規則に則るとこうせざるをえないのだと思うのですが、撮ってすぐにリサイズしないと時系列がメチャクチャになってしまうのです。

例えば旅行で『彦根城』→『姫路城』の順に行ったとして、『彦根城』の看板を撮ってそれを『姫路城』のところでリサイズすると『姫路城』の写真に、リサイズされた『彦根城』の看板の写真が混ざってしまうのです。これを後で見ると結構混乱します。設定などでファイル名の規則とは違ったファイル名、例えば『DSCF0005(オリジナル)→DSCF0005A(編集後)』のようににできるとありがたいです。

RAW形式

保存する写真はJPEG形式で、『FINE』と『NORMAL』が選択できます。今はSDカードもHDDも容量が飛躍的に向上しているので、わざわざ『NORMAL』を選ぶ理由はないかもしれません。

同時期に発売されたフラグシップモデルのFinePix F300 EXRにはないものの、次のFinePix F550EXR からはRAW形式での保存もサポートするようになりました。縦横比や露出調整も含めてRAW形式で保存することで後から色々できて幅が広がるので対応してもらえるとありがたい機能です。

http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0480.html (FinePix F550EXR)

もちろん、RAW形式は容量も食いますしFinePix Z シリーズのユーザーの大半は使わない機能だとは思いますが、SDカードの容量も増えていますし、必要がなければ使わなければ良いだけです。上位機種とソフトウェア部分も共通化されているでしょうからコスト的にもそれほど大きな負担にはならないと思います。

色空間

FinePix シリーズは上位機種も含めて色空間にsRGBを使っているようです(2012年2月現在)。これはWEBなどディスプレイで見ることを前提にした限られた色空間で、他社の一眼カメラなど上位機種では、より広い(=自然界の色に近い)色空間である『AdobeRGB』を選択できるカメラも少なくありません。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2%E7%A9%BA%E9%96%93 (色空間,wikipedia)

最近ではディスプレイでもsRGBを越えた範囲を再現できるものも少ないないですし、写真メーカーであれば写真屋でのプリントと連動してより色彩豊かな写真を印刷できるようにすることも差別化の一つになるハズです。もう昔のディスプレイの低い再現性に合わせて範囲を範囲を狭めた色空間に固執する必要性はないのではないでしょうか。