はじめに
ついついPentax Q を衝動買いをしてしまったので、その特徴を下の4つにわけて考察してみることにしました。
- デザイン
- 絵づくり
- トイレンズ
- イメージセンサ
今回は、その中でイメージセンサについて詳しくお話ししてみたいと思います。
イメージセンサ
デジカメの画質の指標として最もポピュラーなのは画素数だと思いますが、ちょっとツーな方々になるとイメージセンサのサイズを気にしたりします。実際のところ、カメラは光を取り込んで写真にしているので、その取り込む部分=イメージセンサのサイズが大きければ大きいほど高品質な写真になることは想像に難くないでしょう。
実はPentax Q はこのイメージセンサがコンパクトカメラ相当のサイズしかなく、その点では他の一眼カメラに比べて不利だと言えます。このイメージサイズは Pentax Q が発表された当初からネットでかなり話題になっていて、良くも悪くもPentax Q の特徴の一つだと思うのです。
参考までに各種イメージサイズ
イメージセンサ | サイズ (mm) | 面積 (mm2) |
フルサイズ | 36.0 × 24.0 | 864 |
APS-C | 23.4 × 15.8 | 370 |
フォーザース | 17.3 × 13.0 | 225 |
Pentax Q | 6.2 × 4.6 | 29 |
フルサイズと比較すると圧倒的に小さく、一眼レフと比べて小さなカメラが多い一眼カメラのフォーサーズとくらべてすら、だいぶ小さいのがわかります。
もちろん、コンパクトカメラと同じサイズのイメージセンサが搭載されているから、画質もコンパクトカメラ相当と考えるのは早計で、前段階のレンズと後段階の画像処理も画質に大きな影響を与えるからです。とくにレンズは光学屋出身(旭光学)のPentax が気合いを入れて作っているハズなので期待できると思います。ただ、同じレンズ品質をもっていればイメージセンサが大きい他の規格の一眼の方が有利になるのもまた事実です。
現時点ではイメージセンサのサイズが大きな他の規格の製品と同等の価格で売られていることからも、Pentax Q は単に高画質なデジカメが欲しいという用途向けの製品ではないと私は思います。それは、このカメラのテーマがPentax MXやPentax SPではなく、ミニカメラのAuto 110から始まっているところからも伺えます。(スマートエフェクトにもAuto 110がありますね。)
メーカーホームページや各種レビューサイトでプロの方が撮影した写真サンプルがあるので参考になります。
http://www.pentax.jp/japan/products/q/ex.html (Pentax 作品例)
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/newproduct/20110906_475397.html (デジカメWatch)
私の感想としてはイメージサイズの小ささを感じさせない秀逸なチューニングがなされているのでパソコンで見たり、LサイズでA4サイズで印刷する分には好みの範囲だと思いますが、拡大してみるとマイクロフォーサーズのカメラの方がやはり細部までノイズも少なく綺麗に撮れていると感じました。
色味などは調整できますし好みだと思います。また、焦点距離はLUMIX G1のレンズの広角側で28mm相当(35mm版換算)、Pentax Q のパンケーキレンズが47mm相当(〃)で、この写真からも画角の差がわかります。
なお、より不利な条件となる暗い場所での撮影も良く撮れていたことを付け加えておきます。
ボケコントロール
イメージセンサが小さくなるとピントが合っていない部分の『ボケ』が弱いという大きな弱点があります。そこでPentax Q はボケコントロールというモードがあり、背景をデジタル処理でボケさせるという力業でボケの効いた写真を撮ることができます。
ボケコントロールはパッと見それらしい写真は撮れるのですが、上手くやらないとピントが合っている部分(ボケてはいけない部分)の輪郭からボケてしまうことが多く、やはりホンモノの代わりにはならないと言えると思います。遊びとしては使えますが、過度な期待は禁物と思った方がいいでしょう。
なお、ボケコントロールを使わなくても通常の開放絞りで撮影してボケ効果を得ることもできます。イメージセンサーが小さいとはいえ、明るい上質なレンズはコンパクトカメラに対する大きなアドバンテージと言えます。