『HDDのクラッシュ』

はじめに

HDDはPCのパーツの中でもっとも衝撃に対してデリケートなパーツと言えるでしょう。HDDがクラッシュしたという言葉を時々耳にするところをみるとHDDのクラッシュもヒトゴトではないと感じます。HDDはなぜクラッシュするか、またそれからどのな点を注意すればクラッシュを未然に防ぐことができるのかを考えて見ることにします。

なぜHDDは衝撃に弱い?

HDDは一般に一分間に4200回転から速いもので15000回転というかなり高速な速度で回転しています。これは一秒間に70回転から250回転している計算になり、いかに高速であるかがわかります。 HDDの中の円盤とヘッドが格納されている箇所は、ほぼ密閉状態で空気の流れがないようになっています。この中を超高速な回転をしているディスクがあり、その風圧でヘッドを持ち上げてディスクとヘッドが接触しないようになっているのです。

このようにきわめて危なっかしい構造をもつ理由はHDDが他の機器よりもはるかに高い記憶密度を誇るため、ディスクとヘッドの間隔を限界まで小さくする必要があるからです。現在ではすでに0.1ミクロン以下まで狭められていて、タバコの煙の粒子の大きさよりも狭いといわれています。そんな狭い間隔を風圧という安定しない方法で間隔を空けているのですから、HDDがほんの少しの衝撃でディスクとヘッドが接触してクラッシュしてしまうことも納得がいきます。

もちろん秒速120回転などというディスクとヘッドが接触してしまったら、それなりのダメージを受けることは言うまでもありません。さらに、最初に接触した際に削られて出てきた破片がディスク上を回転し、それがヘッドとディスクの間に挟まってさらに傷が拡大するという現象も起こりえます。

この為、HDDでは実際に衝撃を加えた直後に故障するだけでなく、衝撃を加えてから何ヶ月または何年もたった後に破損したりするのです。すでに衝撃を加えたことをすっかり忘れて(または購入店での出来事で本当に身に覚えがなかったり)、HDDは何もしていなのに壊れるヤワな製品だと思うことも多いかもしれませんが、注意して正しく使えば簡単に壊れるものではありません。

HDDは熱にも弱い

HDDは1秒間に70回転から250回転もするため、強力なモーターやサーボがついています。このため、HDDはパソコンのパーツの中でもCPUはGPUに並んで熱源となります。一度かなり長時間にわたってHDDにアクセスしたあとHDDに触れてみればわかると思いますが、手で触れないくらいの熱さになっていることも少なくありません。

しかし、HDDには高速に処理をするために高度なコントローラなどの電子部品も搭載されています。これらのコントローラはこの熱くなるHDDに搭載されていますので、ある程度以上の熱には破損してしまいます。HDDはCDなどと異なりドライブとディスクは一心同体なのでドライブの方が稼動不能になってしまったら中の貴重なデータは、たとえ破損していなくても(一般的には)取り出すことができなくなってしまいます。

高速なHDDを使う場合や複数台のHDDを隙間を空けずに設置する場合は特に注意が必要です。ケースの中に熱がこもりったりする場合は、HDDの冷却も視野に入れてエアフローを考えた方が安全だと思います。

ノート用は衝撃に強いから落としても平気?

近頃のHDDの耐衝撃性は徐々に向上していて、昔よりもHDDは衝撃に強くなってはいるようです。一般にデスクトップ向けのHDDの非動作時の耐衝撃性は100~500G程度でノートパソコンは500~1000G程度のようです。Gは重力加速度で1000Gの耐衝撃性とは地球の重力の1000倍の力がかかっても壊れないことを意味します。

もちろんこれはHDD単体での耐衝撃性の話であってメーカーはノートパソコンの設計段階からHDDをより安全に衝撃に強くなるようにノートパソコンの構造をつくるのでHDD単体よりも衝撃には強くなります。しかし、それでもやはりあまり衝撃には強くないと考えた方がいいでしょう。まぁ、HDDの構造を考えたらそれでも驚くほどの耐衝撃性だと思いますが。

重力の約1000倍の衝撃なんて想像を絶する世界だから現実的にはぜんぜん大丈夫じゃん…とか思うかもしれませんが、HDDを縦た状態からコテっと倒すだけでも500G程度の衝撃が加わるそうです。ノートパソコンのカタログなどに30cmの落下実験に成功なんていうことが誇らしげに書かれていることを考えると、30cmの高さから落下したら1000Gよりも高い衝撃が加わるということでしょう。

よくありがちな、机の上から床に落ちるとかいうシチュエーションでは、ちゃぶ台でもない限り30cmという落差では済まないでしょうけれども。。。

ちなみに衝撃耐性は、動作時で非動作時の約半分程度に下がるのでノートパソコンを稼働中に乱暴に机に置いた程度でも破損する可能性があるワケです。 もちろんこれはHDD単体での耐衝撃性の話であって、メーカーによってはHDDの搭載する部分にショックを吸収する機構を設けて、パソコン本体が受けた衝撃が直接HDDに行かないようにしていることも多いようです。

とはいえ、それでもやはりあまり衝撃には強くないと考えた方がいいでしょう。HDDの構造を考えたら、それでも驚くほどの耐衝撃性だと思いますが。

HDDなんて怖くて使えないよ。

HDDの構造や弱点がわかるなら、その点に一握りの注意を払えば安心してHDDを扱えるワケです。HDDの弱点は衝撃と熱ですから、購入時と組立て時の取り扱いとケースの排熱設計をしっかりたてるなどの処置を講ずればいいのです。

デスクトップパソコンの場合、持ち歩くことはまれでしょうから購入時と組立て時にしくじらなければよっぽどのことがなければ衝撃をあたえることはないでしょう。保管などはちゃんとショック吸収剤にくるむとか、床に置くときもそっと置くなんていう程度で充分です。HDDの構造や弱点がわかるなら、その点に注意を払えば安心してHDDを扱えるワケです。

HDDの弱点は衝撃と熱ですから、自作パソコンならば購入時と組立て時の取り扱いとケースの排熱設計をきちんと考えれば故障する確率はぐっと下がります。保管などはちゃんとショック吸収剤にくるむとか、床に置くときもそっと置くなんていう配慮があるといいと思います。

先ほども書いたとおりHDDは実際に衝撃が加わって破損してから故障するまでにタイムラグがあり、購入時にすでに破損していても、実際に故障するのは保障期間が切れたあとなんていうことも考えられます。したがって購入時は買ってから持ち帰るまではもちろんのこと(自転車やバイクなど不安定なのりものは危険かと)店選びも重要です。

熱に関しては、HDDを複数搭載する場合は取り付け位置をひとつ分あけるなど2台をくっつけて取り付けないなどの他、通常HDDはケースの前面あたりに搭載されるので高速回転のHDDの場合はケースの前面と背面にファンを取り付けるなどの工夫がいるかもしれません、それほど発熱しないものならば空気が流れるようにする程度でも充分でしょう。

アルミ製のケースはアルミが熱伝導率が高いのでより安心といわれますが、そこまでしなくとも大丈夫だと思われます。こんな程度のことでHDDが安心して使えるならそれに越したことはないでしょう。重要なのはHDDもなにもしなければ壊れることは(たぶん)ないということです。

たとえば、バルクなどのHDDの場合ショック吸収剤がお粗末なものだったらちょっとした不注意ですでに破損しているかもしれませんし、お客さんが直接さわれる位置に並んでいる場合はお客さんが触って落としたりぶつけたりしているかもしれません。そもそもその店のHDDに対する姿勢が知れるというものです。

熱に関しては、HDDを複数搭載する場合は取り付け位置をひとつ分あけるなど2台をくっつけて取り付けないなどの他、通常HDDはケースの前面あたりに搭載されるので高速回転のHDDの場合はケースの前面と背面にファンを取り付けるなどの工夫がいるかもしれません、それほど発熱しないものならば空気が流れるようにする程度でも充分でしょう。アルミ製のケースはアルミが熱伝導率が高いのでより安心といわれますが、そこまでしなくとも大丈夫だと思われます。

こんな程度のことでHDDが安心して使えるならそれに越したことはないでしょう?心に留めておくべきは、HDDもなにもしなければ壊れることは(たぶん)ないということです。

石橋もたたいて渡ろう!

HDDは構造上とってもデリケートだということはわかりました。上に書いたとおりにすれば故障する確率は減るでしょうがそれでも絶対とはいえないのが現実です。HDDはその容量が大きい分、故障したときの被害も大きくなってしまします。したがって、重要なデータは常にHDDのほかにバックアップをとっておくという習慣を身に着けましょう。これはHDDの破損以外にもウィルスで消されたり、何かの拍子にOSが起動しなくなった時にも有効です。

HDDは他のメディアにくらべて格段に高速で、そしてデリケートなものです。ならばOSやアプリケーションなど高速にアクセスする必要があり消えても取り返しのつくものを保存し、データなどは他のもっと信頼性の高いMOやDVD-RAMなどのメディアに保存するという使い分けをするのがベストだと思うのです。