東急8500系-8000系との相違点

はじめに

東急8500系は、既に登場していた東急8000系のマイナーアップしたもので、東急8000系の一形式として分類されることもあります。相違点は主に装置などの差にあるため、見た目では先頭車の形が若干違う以外は正直私もほとんどわかりません。

このページでは、東急8000系と東急8500系の相違点について纏めてみたいと思います。

形状

8000系との見た目の違いは先頭車両ぐらいで、私は中間車で違いがわかるのは8000系の方が行き先表示が狭くて枠が左右対称じゃない程度でした(ただし、8000系は当初クーラーを完備していなかったのでその時はさすがに屋根を見れば区別がつきますが)。ちなみに以前8500系に8000系の車両を組み込んで使用していたことや、その逆に8000系に8500系の車両を組み込んで使用していたことがあるくらいです(現在はそのようなことはないが)。

東急8000系写真 東急8500系写真左=東急8000系、右=東急8500系

8500系の運転台の装置そのものは8000系とさほど変わらないですが、運転視野の向上のため設置位置が少し高い高運転台と呼ばれるタイプなので8000系に比べて前面の窓が少し高く小さくなっています。これに合わせて前照灯も8000系より高く設置されています。このバランスをとるためかライトの部分に赤いラインを引いてあります。

その後8000系でも同じように赤いラインを引くようになりましたが8500系の方が先です。ちなみにその後東急ではステンレス車に赤いラインというのが定着しましたが8500系がその第一号といえます

※現在は8000系も運転台は高運転台に改良されています。

※もともと、東急バスが銀色に赤帯だったのでルーツはそちらが元祖と言えるかもしれません。ところで、この銀色のバスは戦後余剰になった戦闘機用の銀色のペンキを利用したのが始まりで歴史の繋がりを感じたりします。

電動車比率

地下鉄内の駅間が短く上り下りの多い路線でも十分な加速と馬力が出せるように電動車の数が多くなるように、8000系が先頭車が付随車なのに対して8500系は先頭車も電動車となっています。

現状では8M2Tの構成なので先頭車が付随車でも中間車を全て電動車にすれば同じ電動車比率を得られますが、登場当初は4両から6両だったので先頭車を付随車とすると、1編成中に最低2両は付随車が入ることになるので先頭車両を電動車にする必要があったのです。

そう考えると、この電動車比率は今となっては意味のなさないものに見えますが、実はこれが8000系と8500系の現在の運命を大きく分けることになります。それは8500系は前述の理由で短い編成で運用できたことから、譲渡先に幅が持てたからです。8000系が1編成すべて廃車解体されたものが多数あるのに対して、8500系は中間車こそ解体されたものがあるものの、編成自体はすべて譲渡され活躍することになります。

※電動車と付随車について詳しくは『電動車と付随車』を参照してくさい。

信号保安装置

8500系を使用する新玉川線(現在は田園都市線に統合)は営団地下鉄と乗り入れる予定になっていました。そこで営団側と信号保安装置の種類を話し合った結果CS-ATCという方式にすることになり、これも8000系を使用するのをやめて新たに8500系を製造した理由の一つです。