はじめに
パソコンケースはスペックに直接関係ないように思われますが、搭載できるドライブの数、メンテナンスのしやすさ、エアフローの性能などはスペックの上でも重要な要素です。ですから、これらの性能を吟味しつつ、デザインやコスト、大きさとなどのバランスをとりながら選択していく必要があるのです。
このページでは、パソコンケース選びで特に重要となると思われる、拡張性、メンテナンス性、冷却性についてお話しようと思います。
拡張性
拡張スロットの数はマザーボードの規格によって決まっているので、ケースの拡張性と言えば通常はドライブを格納するベイの数を指します。CD-ROMやDVD-ROMなどのドライブ類を収納するための5inchベイの数とFDやMOなどを収納する3.5inchベイ及び、HDDを収納する3.5inchシャドウベイがあります。
5inchベイはもともとPC/ATに搭載された5inchのFDドライブ用の規格で、3.5inchフロッピーの登場で本来なら消え行く運命だったハズなのですが、CDの大きさからドライブがちょうど5inchベイの大きさとマッチしたために重要な拡張ベイとして延命されることになりました。大は小を兼ねるので、アダプターをつければ3.5inchの機器を搭載させることができます。
3.5inchベイはもともとPS/2に搭載された3.5inchのFDドライブ用の規格で、現在でも3.5inchのFD用として、またHDD用として主に使われます。HDDの場合は外部にアクセスする必要がないので大きさが同じ3.5inchで内臓用のシャドウベイ(ネジ穴の位置も異なる)を利用しますが、一般的にはFDとHDDの両方向けのネジ穴がある3.5inchベイならばフタを閉じればHDDも搭載することはできます。
メンテナンス性
自作派で内部によくアクセスする必要があるのならば内部にアクセスが容易なメンテナンス性に優れたケースがお勧めです。例えば、ケースのカバーが片面ずつ外れるタイプならばメモリや拡張スロットへの増設の場合はカバーの一面だけを外せば可能です。まぁ最近はほとんどがコレですからご安心を。
他にも上面が取り外せるものや、HDDの搭載されているシャドウベイごと取り外せるものなどメンテナンス性で見るべき所は沢山あります。多少高級なケースだとマザーボードをネジ止めした台が引き出しのようにとりだせるタイプもありますが、通常はマザーボードには各種ベイや電源からのケーブルが刺さっているので、すっと抜き出してメンテナンスってことにはならないので利用機会はそれほど多くないと思います。
冷却性
パソコンの内部には熱源が多数あるので内部の暖まった空気をうまく対流させて外部に放出する必要があります。冷却ファンが後部や前部などに搭載されているなど冷却についても吟味する必要があります。特に小型のベアボーンなどでは熱対策などが致されているかはよく調べておく必用があると思われます。
また、標準搭載されているファンの冷却性能と騒音なども選択ポイントになりますが、こちらも通常は交換可能で6インチか8インチ又は12インチのファンが搭載されているようでサイズが合えば交換は可能な場合がほとんどです。
ただし、一般的にファンは経が大きいほど冷却性能が上がり、同じ風量ならば回転数を落とすことができます。ですから大きなファンが取り付けられるように作られている方が、小さなファンを複数取り付けられるものよりも静音性の観点からすれば良いということになります。