『Intelのチップセットの数字』

はじめに

Intelのチップセットにつけられた数字。FW824xx時代のネーミングにこめられた開発者の意図を考えてみました。

ネーミングと機能強化

i440BX などというチップセットはノースブリッジ( 82443BX )とサウスブリッジ( 82371EB ) のセットの名前ですが、ノースブリッジの82443BXの数字下3桁目と2桁目と最後二文字のアルファベットをとって i440BX ときています。「440番代のアルファーベットBXだ」というワケらしいです。つまり 82--+XX ( --+ は数字、XX はアルファーベット)の場合、『--0XX チップセット』となることになります。

さて、ここからは考察による考えですが、チップセットのバージョンアップには2タイプあるようです。

もちろん、新しい製品といえども基本的には前の製品を元に改良しているわけですが、とくにパッケージの変更によりチップの個数などに変更が起きたときや内臓する機能に大幅な追加変更が行われた場合に数字がかわります。

ノースブリッジ

まず、ノースブリッジについて考えてみます。

i430LX/NX は 82433LX/NX とデータパスユニット 82434LX/NX×2 の3つで構成されています。そのことからも i430LXと i430NX の関係は『改良』と捕らえるのがよいと思います。いずれにせよ、i430LX と i430NX は近い存在のようです。

対して i430FX は革新的な改良が行われたためか 82437FX と 82438FX×2 の3つになっています。数字が5と6を飛ばした意味は不明ですが、i430FXが新しいというのは数字から見て取れます。モバイル用の i430MX はモバイル用 i430FX の位置付けですからもちろん改良に属するので 82437MXと 82438MX といった具合に番号部分は変わりません。

i430VX は改良が加えられ世代が上がっていますが、チップの構成は同じなので改良程度らしく(本当に i430FX の改良なのかは 定かではない)同じ世代の i430HX は型番が変更しているのすすが、i430VX の方は 82437VX と 82438VX という構成になっています。

i430HX は新しいパッケージ( BGA )に変更になったので 438 の次の 439 が使われ 82439HX となっています。

i430TX もだいぶ改良を加えられていますがチップの構成はノースブリッジ1個とサウスブリッジ1個の2チップ構成と変わらないため 82439TXとなっています。

ちなみに i430FX/MX/0VX はノースブリッジとデーターパスユニット×2が別チップになるので(集積率が低いチップを使っているから)4チップ構成となっています。

i440xx 系でも同じで、初代 i440xx 系チップの i440FX はデーターパスユニットが別チップなので(ただし、これは一つだが) 82441FXと 82442FX という構成になっています。

次の i440LX からは BGA パッケージになりノースブリッジは一つになります。そこで番号もかわって442の次の443を使い 82443LXとなりました。後はほとんど改良に近いことはチップの性能から見ても明らかで、82443 で MX まで行くことになります。

i450xx 系は、チップの形状こそ異なりますけれども個数(おそらく各チップの役割分担)も同じことから i450GX/KX と i450NXは同じ型番をもっています。

サウスブリッジ

つづいてサウスブリッジを見てみます。

PCI-EISA ブリッジと EISA コントローラーは途中で消滅してしまい進歩がほとんどないらしく同じ型番になっています。さらに PCI-ISA ブリッジは i430LX/NX はともに 82378IB または ZB を使っていますが、i430FX からはサウスブリッジに大幅な改良が加えられたので82371FB になります。

i450GX/KX のサウスブリッジは、それまでよりも大きく改良されているらしく378の次の379が採用されています。

i430FX 以降(8xx系の前までで一部例外あり)のサウスブリッジはすべて PIIX と呼ばれていることからも、性能はこそ上がっていますが機能は同じ程度なので型番も変更が行われなかったのではないかと思われます。

ネーミングにも一応、規則性はあるようです。

※これは全く私の憶測なので参考程度にどうぞ。