はじめに
Intel 430HX チップセット は1996年に i430NX の後継として発売されたハイエンド向けの Pentium 用チップセットです。(低価格向けのi430FX も入れれば第四世代の Pentium 用チップセットとなる)低価格向けの i430VX と同時に発売されました。
開発コードネームは TritonII で、i430FX で採用された新技術を改良し、EDO-DRAM の最適化などでメモリアクセスなどが高速化されました。また、ノースブリッジにIntel のチップセットでは初めて BGA=Ball Grid Array パッケージが採用され、データパスユニットがノースブリッジに集積されました。また、初めてPCI Ver2.1 と USB 、ECCなどにも対応しました。
i430HX はハイエンド向けのチップセットなので、Dual CPU や 512MB の大容量メモリの対応など i430FX にはなかった機能があります。
写真

主な仕様
Intel 430HX
- Dual CPU と最大 512MB の大容量メモリとをサポート 。
- ノースブリッジとサウスブリッジの2チップ構成。
- メインメモリとして EDO-DRAM をサポートし、i430よりも最適化。
- Bus Master IDE をサポート。
スペック
チップ名 | 430HX PCIset |
---|---|
ノーズブリッジ | Intel 82439HX (i430HX) |
サウスブリッジ | Intel 82371SB (PIIX3) |
対応CPU | Pentium |
デュアル動作 | ○ |
対応メモリ種類 | FPM-DRAM/EDO-DRAM ECC対応 |
メモリの最大搭載量 | 512MByte |
ノースブリッジとサウスブリッジの接続に使用しているバス | PCI |
AGP | - |
内臓グラフィック | - |
PCI | 32bit/33MHz×4 (サウスブリッジを含めると×5) Ver2.0 |
IDE | Bus Master IDE |
USB | 2port |
付加機能 | - |
特徴
このチップセットは i430FX が比較的低価格向けのチップセットだったので、ハイエンド向けのチップセットとして初めて i430FX と同様の新機能を搭載したチップセットとなりました。また、i430FXでは初めての試みだったために不具合も多かったのですが、その点がだいぶ改善されパフォーマンスも最適化が進んだためi430HX は全体的に高速化したようです。
このチップセットの後に Intel の Pentium 用チップセットとして最後となる i430TX が登場しますが、このチップセットは i430HXと同時に発売された廉価版のチップセットである i430VX の後継にあたり機能面で i430HX に劣る部分もあり i430TX の発売後も根強い人気を見せました。
PCI のバージョンも Ver2.1 に上がりさらに安定性がましたました。440BX の PCI のバージョンが Ver2.1 なのを考えると今でも充分に使えると思われます。また、USBにも対応しましたが当時 Windows 95 の最盛期であり USB の使用環境が整っておらず、あまり利用されることはなかったようです。