Intel 440BX AGPSet

はじめに

Intel 440BX チップセット は1998年に発売されたFSB100MHzを初めてサポートしたチップセットです。

後継となるIntel 820 チップセットが失敗に終わったため、4年近く主力として販売され続けるという、製品サイクルが早いチップセット市場では異例のロングセラーとなりました。

チップセットの機能自体は、従来の 440LX からベースクロックを 100MHz にして細かい改良を加えた程度ですが、新機能が少ない点が逆に安定性につながり高い信頼性を得る結果となったのです。

写真

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主な仕様

Intel 440BX

スペック

チップ名 440BX AGPSet
ノーズブリッジ Intel 82443BX (i440BX)
サウスブリッジ Intel 82371EB (PIIX4E)
対応CPU PentiumII/PentiumIII/Celeron
デュアル動作
対応メモリ種類 SDRAM/EDO-DRAM
対応メモリ速度 PC100
メモリの最大搭載量 1024MByte
最大メモリスロット数 4slotで8bankまで
ノースブリッジとサウスブリッジの接続に使用しているバス PCI
AGP 2X
内臓グラフィック -
PCI Busmaster 32bit/33MHz×5 (サウスブリッジを含めると×6) Ver2.
IDE UltraATA33
USB 2prot
付加機能 -

特徴

このチップセットの最大の特徴は従来のi440LXのベースクロックを100MHzに引き上げた点です。 Pentium以降 CPU-ノースブリッジ間のバス=FSBが 66MHz のまま停滞していて、FSBがボトルネックとなっていたため 100MHz のベースクロックは効果的な結果を出しました。 440BXではFSBとメモリバスが同期なので FSB100 の CPU を搭載する時は当然メモリも 100MHz の SDRAM (PC100 SDRAM) となり、これとあいまって飛躍的にパフォーマンスが向上したのでした。

このチップセットは、従来のi440LXのベースクロックを 100MHz に引き上げて小改良を加えたものです。性能はベースクロックが上がったことで飛躍的に向上しましたが、技術的には成熟していて安定性が極めてい信頼性の高い製品とだったです。また、i440LXの問題点を改善しているのでトラブルも少なく(その頃には周辺機器側も最適化してきた。)安定性を求めるエントリーサーバーやワークステーションなどの分野でも盛んに利用されました。

ロングセラーとなったためにユーザーが多く周辺機器の最適化も進み、周辺機器メーカーはまず 440BX で動くように設計すると言われるほどになりました(今は違うかも)。

このチップセットがロングセラーになった背景は『Column 02』を参照してください。

i440BX は 初めて FSB100 に対応したチップセットですが、それでも余裕がありオーバークロック耐性が高いものでした。 実際、33%もオーバークロックしたベースクロック 133MHz でも平気で動いてしまうものも多く、この為 FSB133 の Pentium III を FSB133で利用することも可能なものも多かったようです。

ただし、i440BX は FSB クロックを使って AGP/PCI 及びそれを使って IDE クロックを生成しています。この為、FSBを 133MHz にすると、AGPも66MHzから83MHzに、PCIも33MHzから44MHzになってしまいます。これが原因で、チップセット自体は可能でもシステムはオーバークロックに耐えられず、搭載した周辺機器や内蔵機器にトラブルが発生したりハングアップすることもあるようです。

※オーバークロックは規定以上の速さで動かすものなので自己責任で行ってください。

※当記事はオーバークロックを推奨するものではありません。