はじめに
最近では当たり前となったACPIという省電力機構。そのACPIが対応・非対応が騒がれていた時代に、Celeronを使ったイレギュラーなデュアルプロセッサーブームがヘビーユーザーの間で密かに流行していましていて、APICとよばれるデュアルCPU機能も耳にする機会が多かったです。
そんな二つの似たような名前、私はえらい勘違いをしてしまっていたので、きっと皆さんの中にも勘違いされている方がいるのではないかと解説してみました。すでにACPIもAPICもあまり聞かれなくなってしまった今はあまり役に立たないかもしれませんね。当時のヘビーユーザーの方が、「ああ、懐かしいなぁ」と思っていただけたら幸いです。
似たような言葉のACPIとAPIC
Multi Processing を行う為に二つのCPUを調停するしくみを PIC=programmable interrupt controllerと呼びます。IntelはAPICという調停システムを使って SMP を実現しています。
ところで、省電力機能のシステムでACPIというのが存在します。構成文字は全く同じで、じつに紛らわしいです。かくいう私もずーと、同じものだと思っていて混乱の素になっていました。ACPIシステムは省電力とマルチプロセッシングを実現する機能だと思っていたのです(どうも、扱う機能に共通性がないような気もだいぶしたのだが・・・)。
実際は全然別物で以下のようになります。
- APIC:Advanced programmable interrupt controller でマルチプロセッサーの調停システム
- ACPI:Advanced configuration and power interface で省電力システム
さらに紛らわしことに Windows2000 をインストールする際に PC システムを選択する場所があり、そこには以下の選択肢があります。
- ACPI マルチプロセッサ PC
- ACPI ユニプロセッサ PC
- MPS マルチプロセッサ PC
- MPS ユニプロセッサ PC
- 標準 PC
MPS はACPIより前にあった省電力機能の名称)『マルチプロセッサ』とかいう文字列が登場し、いかにもAPIC の出番のように思えますが、こちらは省電力システムのACPIの方です。ACPI マルチプロセッサ PC とは省電力機能搭載のマルチプロセッサPCということになります。
実に紛らわしい限りです。