はじめに
Core Duoは2006年にPentium Mの後継として発売されたCPUです。
開発コードネームはYonahで、初の2次キャッシュ共有型のデュアルコアのプロセッサで、FSBを677MHz(クロックは166MHz)に上げて、SSE3拡張命令をサポートしました。また、Macintoshが初めてIntel製CPUを搭載した際に採用されたCPUでもあります。
主な仕様
- 初の2次キャッシュ共有型のデュアルコアプロセッサ。 (Core Duoのみ)
- モバイル向けのCPUとして初のデュアルコアプロセッサ。 (Core Duoのみ)
- Intel Macで最初に採用したCPU。
- FSB 667MHz 、SSE3命令のサポート。
スペック
チップ名 | Core 2 Duo | 備考 | |
---|---|---|---|
開発コードネーム | Yonah | ||
一次キャッシュ | 各コア32KB | ||
二次キャッシュ | 2MB | ||
FSB | 677MHz | クロックは166MHz | |
対応スロット/ソケット | Socket479 | ||
プロセスルール | 0.065μ | ||
TDP | 31W | ||
拡張命令 | MMX/SSE/SSE2/SSE3 | ||
アーキテクチャ | - | ||
その他 | - | - |
Core Duo/Core Soloのアーキテクチャは、 Core 2 Duoとともに発表された『Core MicroArchitecture』とほぼ同等といって差し支えないが、Intelは含めていない(ブランド戦略的な都合と思われる)。
特徴
Core Duo/SoloはPentium Mの後継のプロセッサで、Core Duoはデュアルコアプロセッサー、Core SoloはCoreDuoと同一コアながら片方のコアが無効になったシングルコアプロセッサーです。
Intelのデュアルコアプロセッサとしてはデスクトップ向けのPentium Dがありますが、このPentium DはPentium 4をそのまま2つ載せたような構造なのに対して、CoreDuoは当初からデュアルコアを前提に設計されており共有型のの2次キャッシュを持つなどの特徴があります。 またPentium M系のコアを継承している為、デュアルコアにしてもPentiumDのように凄まじい発熱が発生することなく、高い処理能力と低い消費電力を実現できました。(ただし、やはり消費電力はDothanに比べては上がっている)
※Pentium DとCore Duoの違いについて詳しくは詳しくは『Column 11』を参照してください。
Core Duo/Soloはモバイルに向けた省電力機能も強化されています。具体的には、CPUが使われていないときにコアの電圧を下げてスリープ状態に移行する『Deeper Sleep』モードを強化した、『Enhanced Deeper Sleep』と呼ばれるモードを追加してコアに加えて2次キャッシュの電圧も下げてより省電力になるようになっています。また、Core Duoは片方のコアを停止させて消費電力を削減する機能も実装されました。
これらの省電力機能に加えて、Dothan(Core Duoの直前のPentium Mのコア)からプロセスルールが微細化されている効果もあり、Dothanの27Wから31Wへとコアの数が2倍になったにもかかわらず、わずかな消費電力の上昇に抑えることができたのは特筆すべきところです。
Core Duo/Soloを語る上で、Intel Macを忘れてはいけませんね。AppleのMacintoshシリーズは、2006年にIBMのPower系プロセッサからIntelのCPUへ移行を行いました。この時に、光栄な『IntelMacに搭載された最初のCPU』を担ったのは、他でもないこのCore Duo/Soloプロセッサでした。ソフトウェアの刷新が求められるCPUの移行は、その労力に見合うだけの利点がなければいけません。そのCPUにCoreDuo/Soloが選ばれたことは、このプロセッサのポテンシャルの高さを如実に表していると言えるでしょう。
Core Duo/Soloはモバイル向けとしてはもちろんのこと、デスクトップ向けとしても通用する高い処理能力を持っていましたが、64bit演算に対応しておらずこれが障壁になってCoreDuo/Soloはモバイルプロセッサ域を超えることはできなかったのです(すでにデスクトップ向けではCeleronですら64bit演算に対応していることを考えると大きなハンディとなってしまった)。結局、デスクトップへの進出は64bit対応のCore2 シリーズまで待つことになります。同様の理由でMacでも主力のPower Macシリーズは、64bit対応のCore 2シリーズが登場するまで移行しませんでした。
Core SoloとCeleron M(Yonah コア版)
Core SoloはCore Duoと同じYonahコアでシングルコアになっているという点で、同じくYonahコアを使ったCeleron Mと非常に近い関係にあります。
チップ名 | Core Solo | Celeron M | 備考 |
---|---|---|---|
開発コードネーム | Yonah | ||
一次キャッシュ | 各コア32KB | ||
二次キャッシュ | 2MB | 1MB | |
FSB | 677MHz | 533MHz | クロックは166MHz |
TDP | 27W | ||
拡張命令 | MMX/SSE/SSE2/SSE3 | ||
EIST | ○ | × | 拡張版 Intel SpeedStep |
VT | ○ | × | 仮想化技術 |
その他 | - | - |
IntelではCore 2 シリーズにSolo版をリリースしなかったことから、Core Solo の役割は Celeron Mに譲られたと思う方も多いようですが、CoreSoloの本来の役割はCore Duoでは消費電力が高すぎるモバイルパソコン向けであり、EISTが無効になっているCeleron MではCoreSoloを取って代わるとは考えにくいと思います。
実はクロックとFSBが低いのでEISTが有効になったらCeleronはモバイルパソコン向けには最適になったり。。。