『MIDI音源』

はじめに

サウンドカード再生機能の一つにMIDIの再生機能があります。MIDI音源とはMIDIを演奏する機構のことです。そもそも、サウンドカードにはPCMでデジタル化された音を再生する機能とMIDIを演奏する機能を持たせたものが基本です。

MIDIの種類

このMIDI音源で主要なものではFM音源とPCM音源の二種類存在します。

音源名 仕組み
FM音源 FMラジオと同じ原理で、再生したい音色をその場で合成して作り出す。
携帯の着メロやファミコンのBGMが同じ種類に分類され一般的にはあまり高音質ではない。
PCM音源が搭載されるようになる前に搭載されていた。
PCM音源 WAVE TABLE音源ともよべれる方式で、予め再生したい音色を実際の楽器などで演奏したものを録音しておいてそれを合成して再生する。録音したデータの質によって音質がかわる。
ソフトウェア的にも処理が可能で現在ではもっとも一般的な方法。

FM音源

FM=Frequency Modulation音源は、ある周波数の音に別の周波数の音を合成して音を作りだすものです。原理的にはそれほど難しくないのでパソコンの初期のMIDI音源としてや、ファミコンやスーファミなどのBGM用に使われました。FM音源でもその仕組みによって品質はことなりますが、まぁあの程度の音でとても演奏とは程遠いものでした。現在でも携帯の着メロなどに使われています。

PCM音源

PCM=Pulse Code Modulation音源は、予め各音源の音色を実際の楽器等で演奏したものを録音しておいてWAVEなどにしてメモリに保存しておき、再生時にはその音色を音階や調子を変えて演奏するという仕組みです。その原理からWAVE TABLE音源などとも呼ばれます。この仕組みによるともととなるWAVEデータの品質がよければそれだけ質の高い演奏ができます。

以前はPCM音源では高価な専用のMIDI音源機器が用意され、そのMIDI音源が搭載されたROMの中のWAVEデータを使って再生するというのが一般的でした。それが徐々に再生と簡単な機能に限定してサウンドカードに搭載するようになっていったのです。

原理的にはFM音源もWAVE音源もCPUで代行することが可能で、特に最近ではCPUが強力になりMIDIの再生程度はなんなくこなせるCPUが標準搭載されるので、ソフトウェアでMIDIを再生することも多いようです。最近のOSには標準でソフトウェアシンセサイザーが搭載されているので、音が鳴るパソコンであればPCMによるMIDIの再生が可能なことが多いようです。

PCM音源の場合は、WAVEデータの質が高ければそれだけ高音質な再生が可能となり、高価なMIDI音源には高容量なROMやRAMが搭載されたりもしましたが、メインメモリが大容量に搭載されるようになったいまはメインメモリに展開するようになりより安価で高音質なMIDIの再生ができるようになりました。