APSフイルムをスキャンする

はじめに

Canon CanoScan 9000Fもそうですが、現在売られているスキャナ(フイルムスキャナを含む)は35mmや120(中判)といったフイルムには対応していても、APSフイルムには対応していないのがほとんどです。

ただ、対応していないものの、APSフイルムといっても所詮はフイルムですので、スキャンできないことはありません。ここではAPSフイルムを強引にスキャンする方法をご紹介したいと思います。

ちなみに、写真屋(量販店の写真コーナー)に行けば、APSのデジタル化のサービスもやっているハズなので、おすすめは断然そっちです。これは、時間はあるけどデジタル化にお金は掛けたくない、もしくは拘りたい人向けの方法です。

なお、この方法はメーカー非推奨(?)で、しかも不可逆な方法ですので充分にご注意ください。

APSフイルムのスキャン

スキャン方法

多くのフイルム規格に対応しているのにAPS-Cに対応してないのは、APSフイルムが現像した後もカートリッジに入っているからだと思われます。

(というか、なんで現像した後もカートリッジに入ってるんですしょうね、コレ。プリントした写真と一緒に保管しないとフイルムに何が写っているか分からないし、カビが生えても気づかないし良いことないような気がするんですが。。。)

カートリッジに入っているからスキャンできないのであれば、カートリッジから出せばよいのです!ただ、キレイに分解できなかったので、私はマイナスドライバーでバキっとやりました。(真似される場合はケガに充分ご注意ください。)

カートリッジから取り出すと、35mmフイルムより少し小さなフイルムロールがでてきます。かるく光に当てると撮った写真が見えて、中身はごく普通のフイルムであることが分かると思います。

スキャンする場合は35mmフイルムと同じように6コマ~7コマ程度でカットする必要があります。35mmより横幅が短いのでサイズ的には1列で7コマまでスキャンできました。

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なお、フイルムをハサミで切るという行為は抵抗あるかもしれませんが、8mmカメラの頃のカット編集は物理的にフイルムを切ったり貼ったりするものでしたので、それを考えれば全然問題ありません、と自分に言い聞かせんます(笑)。

35mmフイルム用のフィルムガイドの片側にいい感じに引っかけてスキャンします。これが結構面倒でして、APSフイルムはカートリッジ内で丸まって保存されているので、スキャナにセットする際にちょっとした衝撃で外れて丸まってイラっとさせられます(笑)

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スキャン方法は他のフイルムと同じですが、残念ながらコマは自動認識されませんでした。(1コマ目だけ認識)フイルムの画像だけではなく、フイルムに対するコマの位置情報も使ってコマを識別していたんですね。

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ですが、手動でコマの範囲を指定できますので手間ですが問題ありません。コマ表示から全体表示に切り替えて、コマの範囲指定モードで手動で指定していきます。表示の拡大をすると正確に指定することができます。

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あとは各種パラメータを設定したらスキャンしたら完了です。

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通常の35mmフイルムとの違いは以下くらいでしょうか。

今回は35mmフイルム用のフイルムガイドを代用しましたが、APSフイルムをたくさんスキャンする場合は、APS用のフイルムガイドを自作(または他の使ってないガイドを改造)してもいいかもしれません。スキャンした後は、もとのカートリッジには納められませんが、35mmフイルム用のネガアルバムなどに保存しておけば良いかと思います。

課題

後述しますが、APS-Cは撮影時に縦横比を指定することができ、プリント時に指定された縦横比でトリミングされます。ただ、その縦横比の情報がおそらく磁気情報として記録されていて見た目では分からないので、この方法ではコマ全体をスキャンすることになります。

撮影時には写らないと思っていた部分も一緒にスキャンしてしまい意図しない写真になってしまう可能性があります。

他のスキャナへの応用

やっている事は非常に単純なので、フイルムスキャンに対応したフラットヘッドスキャナであれば同じようにできる可能性があります。

コマを認識するソフトウェアの作りがどうなっているかがポイントで、35mmとコマの位置が違っていても自動認識できるか、または手動では指定できる仕様であればAPSフイルムのスキャンができると思います。

APSフイルムとは?

APSはAdvance Photo Systemの略で、1996年に35mmフイルムに代わる新しい規格として登場したのですが、従来の35mmフイルムが中々しぶとかったので普及に時間が掛かっている間に、デジタルカメラがあっという間にフイルム自体を過去のものにしてしまったためにあまり普及せずに終わった悲運の規格です。

フイルムは知らんがAPSはどっかで聞き覚えある、と思った方も多いかも知れません。実はセンサーサイズでおなじみのAPS-Cサイズはこの規格からきています。APSはAPS-H 16:9(ハイビジョン)、APS-C 3:2(クラシック)、APS-P 1:3(パノラマ)の写真を撮影することができ、APS-Cのイメージセンサーはそのサイズとだいたい同じということになります。

ちなみに、単純にプリントする際にトリミングしているだけで、APSフイルムに写っているのはAPS-Hサイズの写真です。(APS-Cは横を、APS-Pは縦をトリミングしてプリントしている。)

イメージセンサーの話でお気づきかもしれませんが、APSフイルムは35mmフイルムよりもフイルムのサイズ(写る面積)が小さいです。フイルムの技術が向上したことでコンパクトでも同等以上の画質を実現できるからという理由なのですが、同じ技術を使って35mmフイルムを作ればより高画質になる訳でして。。。

ターゲットになるハズだった画質に拘りが少ないライトユーザーは、もともとデジタルカメラに移行しやすい層だった時点で、APSフイルムの運命はすでに決していたのかもしれません。